2019年8月15日木曜日

二つの初盆


 九日に義父の初盆をし、13日に兄の初盆に実家に帰った。
 義父の宗旨は浄土真宗(お西)で事前に初盆のお参りをしていただく際に準備するものをお聞きしたのだが「何も要りません」との事だった。
 当日は嫁はんと私の二人だけであったが、ご住職からは正信偈など丁寧な読経をしていただき、お勤めが終わってご住職からお盆のことについてお話しをいただいた。
 「お盆は『盂蘭盆会(ウラボン)』といいサンスクリット語=倒懸(とうけん)から来ており、その意味はお釈迦様の弟子の一人がある時、母が餓鬼道に落ち逆さ吊り(倒懸)にされ苦しんでいることを知りお釈迦様に救う方法を聞いたところ修行者たちに食事を施せば母は救われると言われ、その通りにすると母親は餓鬼道から救われた。そしてその食事を施した法会がお盆の由来です」とお話しいただいた。

 八尾の実家の宗旨は「真言宗」で、ご先祖の霊を迎えるために迎え火を焚いたり、キュウリや茄子の馬や牛を供える。今年は兄の初盆で例年、集まる兄弟会も控えて法事だけになった。
 義姉と話していると「未だにひょこっと帰ってくるよう」と言っている。私も元の職場で兄と仲の良かったOBと話をした折にOBの消息を聞いたりすると「あ、この話兄にしなければ」とつい思ってしまう事が多々ある。

 今日は8月15日、終戦記念日である。義父には戦争体験の話をよく聞いた。ただ所属していた部隊の関係かあまり悲惨な話は無く、どちらかと言えばビルマやシンガポールの美しい景色や優しい現地の人々の話が多かった。
 TVでは毎年のように終戦記念日特集的に岡本喜八監督の「日本の一番長い日」が今年も放映されている。
 天皇の玉音放送をめぐる攻防を縦糸に暴走する将校を若き黒沢年男がそして玉音盤を必死に守る侍従を小林桂樹が好演しており橋本忍の脚本が無謀な戦争に突き進んだ軍部の結末を見事に描いている。
 原作が半藤一利氏である事を映画公開時は知らなかった。


               
            訂正:義父は浄土真宗大谷派(お東)でした。

2019年8月10日土曜日

二度の裏切り

 
 昨日9日、大阪地検特捜部は佐川元国税庁長官ら10人を再び不起訴処分とした。
 去年5月に森友学園をめぐる決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄、国有地の値引き売却の問題で刑事告発されていた財務省の職員ら全員を不起訴にしたが検察審査会が、財務省の職員らの不起訴は不当だと議決したことを受けて再捜査を行っていたが改めて全員を不起訴としたのである。これによって一連の捜査は終結し、佐川氏らの刑事責任は問われないことになる。

 一昨日は佐川理財局長(当時)らの圧力により文書改ざんを強制され良心との板挟みで自死した近財職員の公務災害が昨冬に認定されていたという報道があった直後の不起訴処分である。

 大阪地検特捜部が森友事件に着手した当初、女性特捜部長が異常な執念をもって捜査にあたっていて疑惑解明と佐川氏らの逮捕もあるとの観測もあった。
 しかし、捜査結果は全員の不起訴ということになり、その後、その女性部長は函館地検に移動となった。不起訴にした褒賞だという見方や、いや札幌ではなく函館だから左遷だという見方も当時ささやかれたらしい。
 裏に官邸の力が働いた可能性は大いにあると思うがご当人の気持ちは分からない。しかしこの不起訴処分(刑事罰)で佐川氏が大手を振って天下り先に行けるのは確実だろう。

 因みに検察審査会制度とは,国民の中から選ばれた11人の検察審査員が検察官の不起訴処分の当否を審査するもので,検察官の職務の上に一般国民の良識を反映させ,その適正な運営を図ろうとする目的から設けられたものとある。
 
 大阪地検特捜部は、国民の期待を二度裏切ったことになるのではないか。