2014年10月23日木曜日

旬(?)の筍

  少し前から百貨店の野菜売り場やちょっと珍しい食材を売る野菜専門店などで見かけていた筍らしきもの、名前は「四宝竹」とラベルに書いてあった。
 初め見た時は、友のブログに載っていた「まこもたけ」に似ていたので真似て買おうかと思ったが若干躊躇したのは、どうも色形が違うように思ったからだ。今日思い切って買ったのは、売り場の兄ちゃんが名前を教えてくれ「煮ても焼いても炒めても美味しいですよ」と言ったからだった。
 家に帰って、インターネットのクックパッドでメニューを調べたら高知の特産で10月のごく限られた時期が旬の食材だと出ていた。簡単な炒め物や煮炊き物があるらしいがとりあえず塩をふってグリルで焼いてみた。少し苦みがあると書いてあったがシャキッとした歯ごたえのある爽やかな味だった。
 高知の特産となれば「バラやん」に聞いてみなければと思い、残りの10本ほど残してある。高知以外ではあまり食べられなかったのは鮮度を保つのが難しいからだそうで、バラやん、急いで教えてください。
 なお、今晩は「司牡丹」ではなく、滋賀・北島酒造の「御代栄」の”ひやおろし„でいただきました。
   バラやん悪しからず。

2014年10月15日水曜日

月に棲むのは

  阪急池田の逸翁美術館で「月を愛でる」という月に因んだ美術展があったので見に行った。ここのところ「十五夜の月見」や「皆既月食」とか月に関係した出来事が続き、また友のブログでも月にまつわる話が続いていたこともあり出かけたという次第である。
 日本人にとって月は太陽に比べ特段に惹かれるものがあるようだ。太陽は作物を育て、人間の身体を育て、生きるものすべてにその恩恵を与えている。にも拘らず、その事がごく当たり前のようになり、特段の興味を示さなくなっている。(天文的な興味という意味は別にして)
 それに比べ月に対しては、古来より、日によってその姿を変えることに不思議な魔力のようなものを感じているようだ。だから四季の移ろいの美しさを「雪月花」や「花鳥風月」などという言葉で謳ってきた。「中秋の名月」を愛でることは今でも、日本人(だけではないが)の一大イベントだ。
 美術の世界でも月の冴えた美しさは水墨画のテーマであり続けているし、茶道具にも月と兎は欠かせない意匠である。当日も香合の蓋全面に兎の顔をデザインしたものがあった。
 新装なった逸翁美術館は以前の展示スペースよりは少しコンパクトになったが照明も素晴らしく気の行き届いた展示になった。小林一三さんは良いものを遺してくれた。
 「月を愛でる」ということで月を題材にした美術展であり、友のブログのように、月に棲むのは兎なのか蟹なのか、という疑問には応えられないが、いにしえの芸術家が残した美術品は大いに楽しませてくれた。
私は兎派です。

2014年10月5日日曜日

マイブーム

  昨日から万博パビリオンで「時代が求めた!1970デザイン展」という催しが始まったので見に行った。大阪モノレールの車内広告で惹かれたのが「~アイビーからスペースエイジまで」というコピーだった。
 アイビー、懐かしい言葉であると同時に、私の心と体の何処かに今も在り続けるスタイルである。1960年代後半から1970年代の高度成長期を若者として過ごした私のマイブームだったのである。
 

 会場に入ってまず私の目を引いたのは「VAN」のコーナーであった。日本にまだ若者のためのフアッションというものがなかった時代、石津謙介氏が起こした「VAN」(大阪ミナミに本社があった)は単に服飾品というジャンルだけでなく、若者の生活スタイル全般を革命するものだった。
アメリカ東海岸の名門私立大学-アイビーリーグの若者たちが身に付けた、ボタンダウンのシャツ、コットンパンツ、三つ釦のブレザースーツ、という
アイビールックを日本の若者たちに提案したのが石津だった。
ケネディーライシャワー路線の影響で、アメリカに憧れていた私は、このアイビーに飛びついた。少ない給料の中から、ボタンダウンのシャツやコットンパンツを買った。
 写真の靴「コインローファー」別名「ペニーローファー」の名の由来は、靴の甲の部分に細い切れ目があり、ここにペニー(1セント硬貨)を挟み込むのがカッコいいファッションだったが高くて買えなかった。それでも三つ釦のブレザー(これも高くて、ナンバの三信衣料という安物屋で買った)を着込み、小脇に平凡パンチを挟み、東京のアイビー小僧を真似たものである。
 会場には私と同年配の人は少なく、展示してあるパナソニックの家具調カラーテレビを見て、「何でこんなにバカでかいの?」と漏らす若者がいた。70年代から早や半世紀近く、若者にとってこの時代の隔世感は途方もなく過去のものだろう、昭和は遠くなりにけり、なんて言われ、煙たがられているのだろうか。
 友人のブログで「終活」の話からコレにまつわるブームの在り様についてコメントがあるが、儲けのために起こすブームと人々の中から沸き起こるブーム、いわば「ムーブメント(社会運動)」と云われるものがあると思うのだが、昭和という時代の中で、「アイビールック」-ファッションであり、トラディショナル-伝統を重んじる、という生き方にこだわった石津氏のスタイルに触れた事は今も私の中で生きているように思う。