2015年6月27日土曜日

おごる自公は久しからず

  22日付け毎日のコラム「風知草」で-不戦国家の用心-と題して、安倍首相が今国会で「安保法制」の成立を目指していることについて、「政権が軍事国家を目指しているという断定は不当な極論である」と(野党などの過激な批判、論戦のことを指しているものと思う)書いた。同時に、安倍首相の野党の質問に正面から答えない答弁姿勢に苦言も呈しているが、「安保論戦がしばしば行き詰まり、国際情勢の急変を背景に決着を見た。」と、まるで最近の「安全保障環境が根本的に変容した」という安倍首相の言い訳を追認するような論調である。  「風知草」担当の山田孝男氏は毎日新聞政治部特別編集委員で2014年度、日本記者クラブ賞も受賞したベテランで、これまでにもユニークな政治家評論も書いている。しかし今回の「風知草」はどうも今までの論調とは違っているように思った。
 コラムの最後には、「日本は70年間、不戦を貫いた。自国防衛の用心は怠らぬにせよ、国の基本は不戦にある。そういう国だと首相に言ってもらいたい。」と結んではいるのだが。
 そんな思いでいた中、26日付けの「赤旗」に「戦争法案審議入り1ヶ月、首相会食、銀座・赤坂へ」という記事が載り、会食の相手の一覧表の中で、「24日-『朝日』『読売』『日経』などの各社編集委員、論説委員の中に『毎日』山田孝男特別編集委員の名前が挙がっていた。会食の中でどんな会話があったのかは明らかではない。が、きっと間の悪い会食ではなかったのではないか、とこれは同席していない私の感触だが。
 そんな”ザワザワ„した気分の同じ日の「毎日」が「安倍首相に近い自民党の若手議員が百田氏(あの百田氏である)を招いた勉強会で、安全保障関連法案に対する国民の理解が広がらないのはマスコミの批判の所為だ」とばかりに攻撃し、挙句には「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい、経団連に働きかけて」との意見が出た事、また、講師の百田氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と普天間基地移転問題で政府に批判的な地元新聞を名指しで攻撃した、と報じていた。
 百田氏は前NHK経営委員で推薦・任命したのは安倍首相である。いよいよ政権も末期症状が出てきた感がある。
 「おごる自公は久しからず」、もちろん、自壊するはずもなく、追い詰めるのは広範な国民世論である、全マスコミもその一翼になって欲しい。
 

2015年6月25日木曜日

小は大を凌ぐ!

  前のブログに書いた戦争法案に反対する「6・23府民集会」に参加してきた。開会15分前に到着したが参加人数が少なめな感じでちょっと心配した。
 が、開会の6時半になると、続々と参加者が詰めかけてきて会場の後ろの方にも列が出来てきた。今回、退職者の会として参加しようと決めてきたので会の旗を掲げた。
 労働組合や民主団体の大きな旗や幟が林立する中で長いポールの先に小さな我が会の旗がすっくと立ち、異彩を放っている。「小は大を凌ぐ!」という感じで何か誇らしかった。
 会場には懐かしい顔もたくさん見え、さながら昔の青年部の同窓会の様でもある。そして、その人々が誰に言われた訳でもなく「これは危ない」と感じ、自らの意志で参加したと言っていた。何とも頼もしく、心強かった。
 集会後、デモ行進に移ったがかなりの人が参加しており、私たちが隊列の最後尾という事もあって公園を出たのは8時前、目的地の公園に着いたのは、9時丁度だった。遅い時間だったが参加者の労をねぎらうため、いつものビアホールで乾杯したのはいうまでもない。
 それにしても、連日新聞「赤旗」で報道される国会周辺のデモや抗議活動、各地で開催されている集会などに比べ大阪の集会は熱気というか、覇気がないように感じた、それは参加者ではなく、主催者側において、というのがビールを飲みながらの感想であった。
 今朝、起きて新聞を見ると参加者は4000人を超えた、とあるが、当日参加した友人のメールでは「主催関係者の構えは1000人規模の集会だった」という話である。もしそうだったとしたら「構え」が低すぎるような感じもしたが、昔の仲間と会えた喜びと、わが会の旗の注目度の高さに少し自己満足した。   会期延長は安倍首相の自信の無さ、あせりの証拠、もっともっと広範な国民の声を集めて国会を延長したことを後悔させてやろうではないか!
追記
 大阪らしい、と感じたのがデモ行進の掛け声、民主商工会グループが「憲法9条で商売繁盛!」と、えべっさんの掛け声でやっていてさすが!と思わせた。   

2015年6月23日火曜日

異常な政治家たち

 昨夜遅く自公政権は、戦争法案成立のために国会を95日間延長することを決めた。維新を含めた5野党の反対を押し切ってのことだ。
 安倍首相はアメリカ・オバマ大統領に約束した手前、何としてもこの法案を成立させたいと、形振り構わず、という風に見えるが、しっかりと計算している風にも見える。
 大幅な会期延長で「いくら反対してもどうせ成立させてしまうのでは」との厭世気分を野党間に起こさせようという狙い、それ以上に姑息なのが、9月27日までの会期延長の中に自民党総裁選挙を入れ込んでいることだ。
 つまり、国家の大事の時に、総裁選なんかやる場合か、と無投票で再選を決めてしまおうという算段ではないか、という、ただしこれは、私の考えではなく、NHKの記者の解説である。
 戦後最大の延長幅(参議院で否決されても衆議院での再議決に必要な期間)と云い、維新の党との修正協議(単独採決を避けるため)に期待を寄せるとか、とにかく国会内の力関係だけで、この国の重要な法案を決めてしまおうという姿勢だ。そこには、国民の意見など、いや国民そのものを見ようとしない異常な政治家の姿が見える。そして、その後ろには60年安保改定を成立させた祖父の岸首相が覆い被さっているのが見える。
 ならば、これほどまでに国民の声を無視する安倍首相に目に物見せてやろうではないか。長期の会期延長は安倍首相のあせりの表れでもある。まずは本日の集会で国民の声を轟かせようではないか!

2015年6月14日日曜日

名優死す

 「ドラキュラが亡くなった」!えっ、ドラキュラって不死身ではなかったか?
 ドラキュラ役で有名な俳優「クリストファー・リー」が亡くなったというニュースだが。とにかくドラキュラといえば、彼の名と演技が思い出される。イギリスの「ハマーフイルムプロダクション」という映画会社は怪奇映画、今流に云えばホラー映画専門の制作会社だったが、そこの専属俳優?としてピーターカッシングと共に、一時代を画した名優である。
 と云っても、過去の俳優ではなく、90才をこえても現役を貫き、記憶に残る映画としては「スターウォーズ」や「ロードオブリング」で重厚な役どころを演じていて、懐かしくも、嬉しかった。
 彼のことで当時、強く印象に残っているのは写真のポスターの如く、美女に襲いかかる場面のドラキュラの赤く血走った眼を表現する為、「芥子の実」を両目に入れ、充血させて撮影に臨んだという事だ。昔の映画専門誌「スクリーン」だったか何かで読んだ覚えがあるのだが真偽のほどは知らない。しかし俳優のプロ根性というものを強烈に感じ、今なお覚えている。
 93歳没

2015年6月7日日曜日

久しぶりの堺

  昨日、「さかい利昌の杜」という施設を見学した。午前中に、きり絵の前田尋さんの3人展が堺市内であり、見に行った帰りに寄ってみた。
 今年の3月に堺市が歴史文化施設として旧市民病院の跡地に建設したものだそうで、是非見学したいと思っていた。堺に縁の「千利休」と「与謝野晶子」にまつわる展示施設という位の予備知識しかなかったがガラス張りの立派な建物と受付と案内の女性スタッフが明るく、親切な対応が好印象であった。
 玄関を入ったフロアーが堺の古地図になっていて、「調御寺」が顕本寺と同じ大きさで表示されていて、何か誇らしい気持ちになる。
1階は「利休」に関する資料展示で、自治都市「堺」の成り立ちが様々な資料で解説されている。写真のパネルの南蛮船の上に「SACAY」と表記してあるのはローマ字表記の「SAKAY」の誤りではなく、ポルトガルでは「堺」をこう表記していたとの事で、同じフロアーに展示されているヨーロッパの古地図には日本を代表する都市として「SACAY」と記されてあった。

  利休の紹介については、館内の映写コーナーで15代楽吉左エ門さんが10分足らずの画面で語っている。千家の家元が語っていないのが面白い。身内のことは語らずということか。
 2階に移ると、与謝野晶子の展示室である。生家の「駿河屋」の店先が再現されている。情熱の歌人というのが一般的な評価だが、私は、鉄幹との間に12人の子供をもうけ、甲斐性の無い鉄幹に代わり、髪振り乱して孤軍奮闘、来る仕事はすべて断らず、短歌の職人だった、という印象を持っている。
 この偉大な二人の偉人に対する展示としては、「利昌の杜」はあまりにも規模が小さすぎるような気がするが、しかし清潔な館内とスタッフの気持ち良いサービスはその分を補っている。
 施設を出てから先日、調御寺のご住職から「利休井戸がきれいに公開されているよ」と聞いていたので覗いてみると、写真の様な門まで建てて、ボランティアガイドの方が説明してくれた。
 以前退職者会で堺の街歩きをしたときも、ボランティアガイドの方が丁寧に案内してくれたが、堺市は今、「百舌鳥・古市古墳群」を世界文化遺産に、と意気込んでいるからかこの点は本当に充実している。
 帰り道、阪堺電車に乗る前に、「本家小嶋屋」の「芥子餅」を買おうとダメもとで店を覗いてみると運よく開けていた。近くに
もっとおおきな店を構えた「小嶋屋・芥子餅」があるが昔から何となくこの小さな店の芥子餅が好きで買っている。天気も良く、爽やかな風に吹かれ阪堺のちんちん電車で帰った。