2017年4月13日木曜日

美学な幕切れ


 「美学な幕切れ」、「幕切れの美学」というフレーズに何となく憧れをもっている。
 私のブログにたびたび登場する今は無き「上方芸能」の終刊にあたって発行人の木津川さんは終刊の理由を「経費の償はざること」と赤裸々に告白されるとともに、経済的理由にその責を求めず、与謝野鉄幹が「明星」を100号で終刊したことを引き合いに出し、「私は齢80歳になり、歳をとりすぎた、時代の変化についていき難くなった」と述べ、廃刊ではなく終刊という言葉で幕を引かれた。私はこの切ない気持ちをおもんばかってブログに「廃刊ではなく終刊-美学な幕切れ」と書いた。

 昨日、フィギュアスケートの浅田真央選手が引退を表明、記者会見を開いた。理由は様々に取りざたされているが取材陣みんなが
好意的な見方をしてた。本人の「私の全てがスケート中心の生活だったので、本当に私の人生です」「何も悔いはないです」ときっぱり語った。21年間の選手生活、色々な事があっただろうが記者会見に臨んだ彼女の笑顔は素敵だった。

 彼女のように惜しまれつつ、自ら幕を引ける人は少ない。さまざまな問題発言や多くの疑惑につつまれながら大臣の椅子にしがみ付いている奸物のなんと多いことか!世に恥をさらす人生に何の意味があるのだろうかと思う。

 会見の最後に彼女はあらためて感謝の言葉を述べたが感極まった涙を後ろを向くことで隠し、少し間を置いて振り返り少し寂しげな笑顔を二度見せた。私は涙を溜めたその笑顔を見た瞬間「ローマの休日」のラストシーンで見せたヘプバーンのあの伝説の笑顔を思い出した。会見の終わりに記者団から自然と拍手が巻き起こったのも映画と同じだった。
 私は「美学な幕切れ」という言葉を彼女に贈りたいと思った。
 

2017年4月7日金曜日

バースディ割引でお得!


   今日は嫁はんの誕生日でいつもは近所の洋菓子店(ムッシュ・マキノかなりの有名店らしい)でケーキを買う位の事で済ませているが、今年は嫁はんが「良いもの見つけた」とリクエストしてきた。
 それは吹田のエキスポシティ(旧エキスポランド)のOSAKA WHEEL(日本一高い観覧車)のVIPゴンドラに割引で乗れるというもの。
 高さ123mの観覧車、全72基のゴンドラ中、2基のVIPゴンドラに乗って18分間の空中観覧で記念写真と1ドリンク付きで1,000円と云うバースデイ割引であった。
 日本一高いというだけあって「太陽の塔」をこのアングルで見る経験は値打ちがあった。
 帰り道、万博に寄って春の陶器市と桜を楽しんで帰った。


2017年4月5日水曜日

幕引きは許さない!野党共闘と市民の力で


 ここにきて「もう森友問題ばかりではないだろう」(ワイドショー出演の某評論家)とか公明党の参議院議員は「国民の皆様から頂いてる貴重な審議時間をどう使うかは各党の全くの自由ですが、本日、民進党はこの問題(森友問題)を続けて追求、真に国民の為の質疑であるか、皆様の厳正な審判を仰ぎたい」と政府与党に同調する姿勢を示している。安倍首相も籠池理事長の起訴、逮捕が確実と見たのか、公明党委員長と桜見物の余裕を見せたという。
 本当にこれで幕引きとしていいのだろうか?安倍政権はこれまでも甘利経産相のわいろ授受問題を「潔い辞任」と持ち上げ、そのまま不問に付したように数々の疑惑、不祥事を闇に葬り去った。
 そして今回の問題、(いや事件と呼ぼう。)籠池理事長一人を「しつこい奴」「嘘つき」と切り捨て幕引きを図ろうとしている。
 韓国ドラマファンの嫁はんに言わせれば「韓国やったら政権の2っや3っつ吹っ飛んでる!」と怒りを隠さない。現に同じような情勢で大統領は辞任し、逮捕された。本当に日本人は怒りを忘れた国民なんだろうか?
 一つの数字がある。現在日本の国会議員は衆参合わせて717名、その内、「日本会議」(正確には日本会議国会議員懇談会)に所属している議員は281名(Wiki調べ)、さらに安倍内閣の閣僚20人中、日本会議所属は14名、日本会議関連の神道政治連盟には19名(創価学会基盤の公明党石井国土交通大臣は別)が加盟している。何の事はない、すでに日本は極右勢力に乗っ取られているのではないか。ヨーロッパの極右勢力の台頭を他所事ながらと心配している場合ではないのである。
 
 2日付けの毎日新聞のコラム「時代の風」に作家の中島京子氏(映画化された「小さいおうち」で直木賞)が「森友問題の本質-イデオロギー教育の危険」を書いている。
 「森友学園=塚本幼稚園を支えてきたのが、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動である事は、今やもう誰も否定しないだろう。団体名も出た。「日本会議」だ。現閣僚のほとんどが参加している政治団体だということだ。」、「私が恐ろしいのは、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動に賛同している人たちが、日本の教育を変えようとしている事実、そのものだ」と。まさに核心をついていると思う。
 
 今回の「瑞穂の國小学院」設立の企みは日本会議の方針に従い、安倍首相の思いに応えるべく、戦前の教育勅語による軍国教育を実践する森友学園が手を挙げ、財務省や大阪府が忖度の競い合いをした結果であると思う。
 たまたま今回は、国民の財産である国有地を不透明な手法で森友学園に払い下げたことから発覚、仲間割れにより頓挫したのである。しかし、安倍政権はこの森友学園事件の間にも「共謀罪」の今国会での成立を目論んでいる。
 中島氏は更に言う。「気がつくと日本国中が森友学園みたいな学校だらけになっているのではないかと想像して、私は怖い。森友問題が重要なのは、その危険性を私たちに教える事件だったからなのだ。」と。
 
 さて気がついたらどうするか。取りあえず、小学院の設立は阻止できた。新理事長は前理事長(父親)の教育方針は見直すと言っている。今度はいよいよ忖度させた側、安倍昭恵夫人を国会に召喚し、そして、忖度を競い合った国と大阪府を引っ張り出し本当のところを白状させなければならない。

 先日の日曜日、今回の問題を最初に告発した豊中の市会議員が街頭に立ち宣伝を続けていた。その横で見事な黄色い花が咲いていた、花に詳しい人を尊敬の目で見る私だが、いろいろ調べたら「ミモザ」ではないかと思う、ミモザは別名「アカシヤ」とも云うとあった。アカシヤの花は白いとなぜか思い込んでいたのは西田佐知子の歌の所為であろうか。