2013年11月29日金曜日

干し柿秘密製造法

「秘密保護法案」が衆議院で強行採決(委員会で)され、本会議で多数決で可決された。これから参議院へと舞台は移るが、ややあきらめムードが漂い始めているとも言われているが、世論は活発だ。
 先日大阪の高齢者集会があり講演した森英樹名古屋大学名誉教授はユーモア―を交えながら今回の「秘密保護法案」は安倍首相の憲法改悪の野望に道を開くための法案であり、戦争体験高齢者世代の課題-「『憲法の値打ちの語り部』という歴史的使命が皆さんにはある。第1次安倍内閣の改憲を押し返した高齢者のパワーで今回も迎え撃つ!倍返しだ。」と締めくくられた。東京では連日、デモと集会が行われている。遅ればせながら大阪でも1日に弁護士さんらが中心に集会とパレードが行われる。私も参加し、一声、あげてこようと思う。
 で、お口直しに、今年もつくりました干し柿を使った和菓子。作り方に何の秘密もございません。干し柿を開き中にゆずの皮を巻き込んである。安倍さん食べたかったらレシピをあげます。森大臣にでも作ってもらったら。

2013年11月25日月曜日

「よう、ござりました。」べん、べん。

  先日、文楽11月公演「伊賀越道中双六」を観に行った。それから二日ほどは頭の中で「べ~ん、べ~ん、べん」と太棹三味線の音が鳴り響いていた。ものを言おうとすると、「文語調」のフレーズが頭に浮かぶ。義太夫症候群とでもいおうか、そんな症状がしばらく続いた。云うのも、平成4年以来21年ぶりの「通し狂言」で朝10時半から第1部が始まり途中25分の休憩が2回、10分の休憩が3回入るが、午後8時半過ぎまで約10時間の長丁場である。全編、聴きどころ、観どころが沢山あって、飽きないのである。よって暫くは、かかる症状が出たという次第である。
 義姉の影響と、橋下市長の文楽攻撃に反発してファンになって1年ちょっとになるが、今回初めて生の「住大夫」さんを聴いた。云わずと知れた人間国宝さんである。御歳89歳、脳梗塞を乗り越え、第1部最後の「沼津の段」-千本松原の段-を語った。「伊賀越道中双六」は、日本三大敵討ちのひとつ〝荒木又右エ門鍵屋の辻の決闘〟を題材にしたもので、その中でも屈指の名場面と云われるのが「沼津の段」である。
 歌舞伎でも幾多の名優が「平作」という老人を演じている。浮世の義理で親子と名乗れぬ二人が、平助の、いまわの際に、子故の闇も二道に、分けて命を塵芥、須弥大海にも勝ったる、真の親に初めて逢ひ、名乗りもならぬ浮世の義理、孝行の仕納めと敵(かたき)の居所を告げて、親父様~平三郎でござります。幼い時別れた平三郎、段々の不幸の罪、ご赦されて下さりませ~、(床本集から)と声を引き絞り、最後の別れを果たす。
平作(の人形)を操う桐竹勘十郎も良かった。老人の滑稽味と子を想う父親の気持ちを見事に演じて、テレビで見た故勘三郎の平作を思い出させるものがあった。橋下市長の文楽攻撃以来、その逆効果もあっての文楽人気、という側面もあるかもしれないが、上方が生み、育てた文化を守っていこうという気概のようなものを、お二人をはじめ文楽劇場全体から感じられた。
 それからこれは私の勉強足らず故の事だろうが、ひとつ気になることがある。文楽には心中事件など町人社会に起きた出来事を題材にした「世話物」と今回の敵討ちなど武士社会に起きた事件などを題材にした「時代物」があるが、いずれもよく人が殺されたり、子供が犠牲になったりする。今回のように、敵討ちの助太刀という目的のために、妻を離別し、果ては幼いわが子を手にかけてしまう。何故そこまで、と思っていたが今回「通し狂言」で観て、前後の繋がりから何とか、無理やり納得させることは出来た、がそれにしてもである。目的のためには全てを犠牲にするという行為を市民は「義理のためとは云いながら」と云いつつ受け入れ、敵討ちの為に子殺しをした侍を「あっ晴れ」と称賛したのだろうか。
 昨今の育児放棄や、虐待の果ての子殺しと変わりはないように思う。もうそろそろ、そういう事に「うん、うん」と頷ける歳には、なっていると思うのだが、得心がいっている訳ではない。

2013年11月16日土曜日

最近、気になること

 昔、「ポストの数ほど保育所を!」という運動があったが最近目につくのはポストの数以上のコンビニ店舗数の多さである。大阪市内では、交差点の角々に、通りに面しては軒を並べて、という活況である。そして、気になるというか、大いに迷惑しているのがそのコンビニの前でたむろする喫煙者の群れである。
 ポストの数ほど(いや、それ以上の)あるコンビニだから、通りを歩くと嫌でも煙と臭いが襲ってくる。一体いつからコンビニの前は喫煙場所になったのか。職場の禁煙化が定着しだし、「吸うなら施設外で」と追い出され、街に溢れだした喫煙者がコンビニの店の前の灰皿スタンドに「これ幸い」と一人、二人と集まりだしたのであろう。コンビニ側の言い分は(訊きに行った訳ではないが)「店の前を喫煙場所にしたつもりはありません」「店内での喫煙を禁止に」するため、かつ、「周辺への吸い殻のポイ捨てを防ぐ」ためということらしい。しかし、コンビニはタバコを売っている。店側の意図とは関係なく、タバコを買った客が禁煙の職場に戻る前に一服することぐらい、わかっているはずだ。「吸殻はきれいに始末していただくように灰皿も置いて気を付けています」と、優等生の答えが返ってきそうだが、問題は、大量に吐き出される煙と、体にまとわりつく臭いである。通りを歩くと数十メートルおきに、これが襲ってくる。
 これから冬に向かって中国からPM2・5がやってくる。最近の研究では、ガンをはじめいろんな病気を引き起こすらしい、タバコの煙ぐらい、という声も聞こえてきそうだが、環境と健康を害していることに変わりはない。「外だからイイじゃないの」ということにはならないのである。「コンビニさん、何とかしてよ!」と一人怒っている今日この頃である。
 ついでに面白い写真を見つけたので貼っておきます。コンビニにはこんなお客も来るらしい。アイスをかじる要人と、周りのSPの比較が面白い、本当におかしい人や。

2013年11月2日土曜日

秋の入り口は?

日本庭園内の万里庵入り口
  退職者会のニュース発行をやっと終え、あとは総会議案書の最終編集が残っているのだが、この連休中に、(と云っても毎日サンデーの我が身には何の関係もないのだが)片づければ、と思い、いつものコースを散策した。最初は、我が家の裏庭「万博公園の日本庭園」に紅葉の色づき具合を確かめに、酷暑、猛暑の後、一気に冷え込めば秋の陽に映えるのだが、あと3~4度の冷え込みが欲しい処、まずは秋の入り口を覗いた気分で庭を歩いた。万里庵の中の茶室も去年屋根を葺き替えたようでシャープな線を見せている。
 入り口付近の竹藪の中のツワブキの花に綺麗な蝶(シジミの仲間のようだが)が一羽、飛び回っていた。私が近づいてもお構いなしに飛んでいる。この時期、万博カメラマンのブログにはアサギマダラも写っているのだがそうではないようだ。(家に帰って調べたら『ツマグロヒョウモン』の♀のようです)5~6分ばかり付き合ってくれていたが小さな仲間と一緒に飛んでいった。この後、自然文化園のひょうたん池の紅葉の樹も見に行ったがまだまだのようで諦めて帰る事にした。    でもせっかく重いカメラを担いできたのでこれも私の散歩、というより定番の立ち寄り処、伊丹空港の展望デッキに「撮り飛び」に。
 昼抜きで歩き回ったので簡単なおつまみを買って行き空港ロビーの隅っこにある「空港銘酒蔵」で三口飲んで潤す。三口?というのは、ここには一杯100円の自動販売機があるのです。近畿二府四県の銘酒が30種類、自販機に小さい猪口をセットし好みの銘酒のボタンを押すと美味しいお酒が飲めます。穴場です。
 さて最後は「撮り飛び」でおま~す。(三口飲んで少々フワフワしております)3連休の土曜日とあって家族連れで大賑わい、3時過ぎの全日空のB-787が到着、横で見ていた3人連れの家族、子供が「パパが帰ってきたよー」と大はしゃぎ、3連休で単身赴任のパパが帰ってきたのだろうか、しかし、こうも3連休が続くとパパの財布も少々苦しくなるのでは、といらぬ心配をしてしまう。

あとがき―スノーさん、この写真何やらミニチュアの近接撮影のようだと思いませんか?正真正 銘、伊丹のデッキで望遠で撮りました。何の狙いもなく。


2013年11月1日金曜日

ほんまもん、とは

大阪に上野修三さんという料理人がいる。大阪料理の大御所、今は引退されているが「浪速割烹」というジャンルを作った方で、27日付の大阪民主新報で「なにわの食」について語っておられる。上野さんはなにわ料理にこだわり、一代で「浪速割烹芔川」を大阪の名店にした。とここまでは記事の受け売りである。勿論、年金暮らしの年寄りには法善寺横丁の店に行ったこともないし、その味がどんなものかも知らないが、上野さんは「東京に店を出せとか、京都や横浜に来ないかという人もいたけど、大阪を離れる気はありませんでした。」「大阪で食べてこそ大阪料理」と言い切る。また、最近の食をめぐって遺伝子操作をした食品やTPPについても「世界中金儲けしか考えてないのは問題でっせ」と苦言を呈している。
 話は横道にそれるが、ここのところ世間を騒がせている「偽装メニュー」問題である。当初「偽装ではなく誤表示だ」と言い訳をしていたが一転、「偽装と受け取られても仕方がない」と謝罪した。私は当初から「芝エビかバナベイエビか」を解釈の問題であるかのように説明している経営者たちを見ていて「あーこの人たちは現場を知らんなー」と思っていた。果たして辞任するこの社長は、合併する前の電鉄会社出身の人だった。バナベイエビが偽物という訳ではないのに表示を芝エビと書く行為自体が問題なのだ。利益追求だけで経営を考えるとこういうことになる。「畑違いのもんに現場が分かるはずがない」「餅は餅屋じゃ」と声高に言うつもりはないが、同じようなことがつい最近もあった。例の公募校長のセクハラ事件である。
 橋下市長の肝いりで民間からやる気のある人材を、と公募し校長や区長に就かせたが半数以上が問題発言やセクハラ等の不祥事を起こしている。校長という職務が橋下市長の言うような「権利に守られた教職員組合の校長ども」に勤まる職務だろうか。新米教師から子供たちと触れ合い、地域や父兄とも意見交換し、様々な経験を積んで就く要職だと思う。電鉄会社で実績を積んだから、異業種で成功したから、というだけで、それも期間限定で就くような仕事ではないはずだ。
上野さんが作る浪速料理のような「ほんまもん」が一朝一夕で、出来上がるものでないことは誰もが分かっているはずだが。