2019年12月30日月曜日

今年はいろいろありました。


10月からつづいた囲碁大会や総会などの行事と機関紙、ニュース、会報の3連チャンの発行も終えた。そして3月に亡くなった義父の法的な手続きもすべて終え、やっとのんびりとした気分になれた。

29日は早めの年越しそばを北区のお初天神近くの「夕霧そば・瓢亭」でいただいた。ここのお店の名物は「夕霧そば」といって堺の「ちく満」と同じセイロで熱く蒸しあげたおそばを卵を割り入れた蕎麦つゆで食べる。

この店のしおりの表紙画は既に鬼籍に入られた切り絵作家・加藤義明さんの作品だ。久しぶりに食べる「夕霧そば」は本当に温ったまる。

帰り道、本屋に寄って「星空年間2020」を買った。付録についているDVDで来年の星空で繰り広げられる天体現象を見たり、1日の天空の星々の動きを動画で見るのが楽しみだ。

  今年も干し柿で作る我流のお菓子「くろ柿」を作った。今年は少し少なめだったので市販の干し柿(写真左側)も試しに「くろ柿」にしてみたが味は断然わが家の方が美味しかった。


 それから今年の梅酒づくりで出来た梅を少しの砂糖を入れて軟らかく煮て「シロップ梅」にしてみたがレシピ通りアルコールが飛ぶように梅の表面に沢山の穴(爪楊枝を束ねて)を開けたがしっかりしみ込んだ焼酎のアルコールはなかなか抜けきらず、大人向けの味になった。

 

最後は信楽焼きの「ぐい呑み」の話、長谷やんの記事に触発されて愛用しているぐい呑みを紹介したい。20年ほど前、信楽の里を訪ねた。窯元を訪ねるよりもと販売所を2~3軒のぞいてみた。店のおばさんに手頃な「ぐい呑み」を紹介してもらい、その中で少しぼてっとした、それでいて手にしっとりと馴染むぐい呑みを買った。

おばさんは「これは私が応援している愛子ちゃんの作品や、まだ若いけど良いもん造ってる」と言った。その後5~6年して、大阪の百貨店などで若手作品展の様な展示会で見るようになった。名前は「渡辺愛子」さんという。

本人のブログを見ると現在は伊賀に3基目の穴窯を構え、作品を制作しているということだ。

このぐい呑み、使っている間に縁が欠けてしまったので嫁はんの友人が「金継ぎ」をしているというので直してもらった。その友人が「なに、この汚い器は?」と宣ったらしいが、まあ人の好みはそれぞれだから、、、。

 

まあそんな歳末の一日、今年は兄と義父が亡くなって寂しい年越しになりそうだが年々こういう事を積み重ねていくことに慣れていかなければと思う。
今日は茅ケ崎から息子も帰ってくるそうだ。。
 

1月7日追記
 1月3日の「美の壺 心ほどけるお燗の道具」で渡辺愛子さんの盃が紹介されてました。 

       皆さんよいお年をお迎えください。
 


2019年12月6日金曜日

ひとつ星を見失うな


突然の悲報が心を乱している。アフガニスタンで活動中の中村哲医師が何者かに襲われ命を落とした。襲ったグループがテロ組織なのか、まだ判ってはいない。

私が中村医師を世界一尊敬に値する人物だと思ったのはその人道支援のあり方であった。
彼はツルハシ一本から井戸を掘り、ついには広大な水路をつくる事まで成し遂げた。そして水路を造るにあたり、現地の人々に継続と持続可能な工法を教えたという。
日本の古来からの水利工法、水に流されない土手をつくるための蛇籠(日本では竹を編んで石を詰める)を取り入れたりしたのも現地の人々の手に入る資材と人力で水路を維持管理できるようにとの思いからであった。
巨大な資本と機械で短期間に水路を造るなど(人道支援という名のもとに)は今の技術力ならば容易いかもしれないが、それでは機械ひとつ故障してもそれを直す技術者がいない、道具もない、ということで宝の持ち腐れになってしまう。そうした思いから今もこうした人道支援を続けてきたのだろう。

彼は1946年生まれ、私と同い年である。そんな彼を失ったことは絶望に近い、多くの人がそう思うだろう。今日も新聞には彼を知る多くの人々から悼む声が寄せられている。
毎日新聞には哲学者の故・鶴見俊輔氏が生前彼を「日本の希望は中村哲だけだ」と評したということが載っていた。
鶴見氏はかって日本共産党を「北極星のようだ」と讃えたことがある。結党以来、主権在民と侵略戦争反対の旗をかかげ、文字通り命をかけてたたかってきた日本共産党の一貫した態度を、動かぬ座標-「北極星」(異名をひとつ星ともいう)と見たのである。そうしたぶれない姿勢と彼のブレない支援の姿勢を重ね合わせたのかもしれない。

彼はまた、集団自衛権の行使容認を巡り、安倍首相が海外のNGOのための自衛隊の任務拡大に言及した際、「自らの主張を通すためにNGOを道具にしている、外交努力で不必要な敵を作らないことこそ内閣の責任だ」と批判している。
 
 私のように世界一尊敬する人を失い、絶望する人がいるかもしれないがジャーナリストの西谷文和氏の「これでアフガンから支援団体が去れば、貧困が増えて紛争がさらに増える。後に続く人が中村さんの遺志を継ぎ、恐れず活動することが重要だ」という言葉を信じよう。
 私にだって何か出来ることがあるはずだ。

    「ひとつ星」を見失わないように。

2019年10月17日木曜日

治水を忘れた政治


 衝撃的な写真である。北陸新幹線の車両が茶色い泥水に沈んでいる。
 台風19号の記録的大雨の影響で千曲川の堤防が決壊し長野市のJR東日本の「長野新幹線車両センター」を泥水が襲い10編成、120両の新幹線が水没したのである。
 濁流渦巻く河川や流される家など台風による水害の光景はこれまでにも何度も見てきたし、いくらかの経験もある。しかしこの写真は何とも言い様がない衝撃を私に与えた。
 整然と並んだ美しい彩色の北陸新幹線であるが故に水没しているニュース映像は悲しいまでに美しかった。

それにしても日本の一級河川が記録的大雨とはいえこうも易々と決壊してしまうものだろうか。

 昔、領地を治める殿さまの一番の仕事は水を治め、水を利することだったといわれている。農耕の国であった日本にとって治水は治世の要諦であった。
 翻って今の殿様はどうだろうか、農の国を捨てたかのような日米貿易協定でアメリカに屈服し挙句に高い戦闘機を100機も爆買いさせられている。これだけのお金を河川の改修などに回すべきではないのか。
 
  自然災害だから、とは言わせない。

2019年10月11日金曜日

森友問題を終わらせない!



 昨晩、「森友学園問題」を考える会が近畿財務局が入る大阪の第四合庁前で宣伝行動をした。今回は会の要請に応え、近畿財務局OBも6人参加し、これまで国公大阪退職連として近畿財務局OB有志を支援してきた経過もあり夕方5時半からという時間帯だったが会長以下3人が参加した。

 当日は、これまで「森友学園問題」を追求してきた木村真豊中市議が提訴している所謂「契約書黒塗り国賠訴訟」の控訴審裁判があり、その流れの中で合庁前宣伝が行われた。
 今回も傍聴は出来なかったので報告集会に参加したが集会で木村市議の口から出たのは「今日で結審となりました。」「1217日に判決となりますが多分一審支持の判決となるでしょう」という残念な報告だった。その後で、大川主任弁護士も「まあ、こんなもんでしょう、最近の控訴審では「1回結審」が原則のような実態なので、こういう進行もあるとは思っていたが」と述べた。

以下、大川弁護士のブログから。

私が、控訴理由書の要旨を口頭で述べる。
そのポイントは、

 森友学園は「非公開」を望んでいないこと、

 森友学園が望んでいないのに、勝手に非公開にするのは、全て開示すると「8億円値引き」の根拠が無いことが判明し、つまるところ、「非公開」は近畿財務局のためのものであることが本件事件の本質であると述べ、くれぐれも、情報公開法の解釈論に矮小化しないように口頭で訴えた。

(しかし裁判所は後述の通り、この訴えを聞かない)

そして控訴人は、4人(籠池氏、池田氏、キアラ設計者、元森友代理人弁護士)の証人申請を行った。 
さてここからである。
 裁判所は被控訴人に「原審準備書面で「森友学園が要請があったと主張しているわけではない」と述べてる意味は?」と聞く。

 被控訴人は「非公開の根拠ではない、という意味です」と答える。
 裁判所は「原審で池田陳述書が出ており、そこでは、森友学園の要請があったと出ているが」と聞く。
 被控訴人は「そのやり取りは、不開示決定のやり取りではない」と答える。
 さらに証人について、被控訴人は不要とするのであるが、池田証人は今も出廷は難しいと述べる。

 以上を受けて、裁判所は、「本件は情報公開法の例外に当たるかどうかが争点」と述べて、従って、証人は必要ないので却下すると述べた。(このとき木村市議から声が上がった。「ごみのことは原判決にも書いている争点でないか!」)
 裁判所はさらに、「これで弁論終結します。判断するのに熟している」と述べた。(このとき木村市議は「まだ10分しか経ってないのに何故熟しているのか」!)
 そして裁判所は、次回判決は1217日午後115分と告げてこの日の裁判は終えた。
 まあ、これが、安倍政権下の今の裁判である。
 たった1回の公判で、判決が書けるのか、というのが素人の私の感想だが、以前のブログで書いた様に、不開示を違法ではないとした地下のゴミについて森友学園側が「公にされたら困るから」と財務局に泣きついたのならともかく売却したら終わり、のはずの財務局が何故住民感情まで持ち出し、学園側の不利になるからと不開示にするなどというこじ付けまでして判決を下したのか?
 という素朴な疑問に今回の裁判長も応えようとはせず、結審にした。本当に大川弁護士の言うように「これが、安倍政権下の今の裁判である。」なのか? 
 報告集会では傍聴をしてきた宮本岳志前衆議院議員も発言報告をした。「木村さんの裁判の結果は悔しいが森友問題はこれで終わりという事ではない、今も『不動産鑑定評価書』を追求するというたたかいが開始されている」と新たなたたかいの決意を述べみんなを励ました。


 こうした流れの中での合庁前の宣伝行動だったので私は近畿財務局に怒りをぶつけるような宣伝行動になったらまずいな~と思っていたがマイクを握った木村市議や宮本さんのスピーチは「財務局職員の皆さん、森友問題の解明のため力を貸してください」「真面目に仕事をされている皆さんのご苦労に対し、現場に責任をなすりつけ財務省幹部は不起訴となり、責任も取らず栄転までしている、こんな事が許されていいのでしょうか」と非常に抑制のきいたかつ、財務局職員の心に訴える内容だった。
 そして「今日は財務局OBの皆さんも参加していただいています。OBとはいえ、いやOBだからこそ、皆さんに直接訴えるということにためらいもあったと聞いていますが参加を決断していただきました」と参加OBにも配慮するスピーチだった。

 急な呼びかけだったので退職者会の参加も少なかったが「森友問題をおわらせない!」たたかいは続く。

2019年10月2日水曜日

月並みながら秋の味


 いくらか涼しくなったと思ったらここ4~5日、真夏を思わせる照りつけが外出の足を鈍らせる、と言って家にいるのも面白くないので箕面の栗屋さんまで初栗を買いに行った。
 顔なじみのおばさんは「今年は昨日から店を開けましたが後45日したら粒の揃ったのが入りますよってに」と言いつつ、「初物ですから」と選って袋に入れてくれた。
 翌日、栗ご飯にするため嫁はんが鬼皮まできれいに剝ける専用の道具(クリクリ坊主というらしい。)で「これハマる」と嬉しそうに剥いた。
 今年も一粒も虫が入っておらず美味しく栗ご飯が炊き上がった。

 栗ご飯の横のポテトサラダは私の得意料理の一つで、材料はメークインとハムとゆで卵、それをマヨネーズでまとめるというごく基本的で簡単なものである、が、それ以外にベーコン(塩気)とチョリソーソーセージ(ピリ辛)をフライパンで炒め、茹で上がりマッシャ―で潰したポテトに混ぜ込む、量は多くても少なくてもいけない、ころ加減である。
 さらに、そこに粒マスタードとバルサミコ酢を混ぜたものを振りかけ完成である。キュウリは水気になるので入れない。

 そして後ろに2本並んでいる日本酒、左の一本は奈良・三輪の西山酒造(奈良市内の春鹿の西山酒造とは別)の辛口純米酒の「切辛」(せっから)と読む。
 以前、退職者会で歴史の里歩きと酒蔵見学で訪れた際、試飲で気に入り、値段も手頃(4合瓶 1,540円)でずっと飲み続けている。
 ただ辛いだけの辛口ではなく、米の旨味が感じられる辛口に、という蔵元の口上に乗った訳ではないが秋の冷気を感じるには最適のお酒(冷酒)だ。
 もう一本は、石川県の農口尚彦研究所がつくる、純米無濾過生原酒である。
 酒蔵の名前も変わっているがこの農口尚彦という杜氏は能登杜氏四天王の一人で引退していたが若い後継者を育てたいということで自ら社主となり、働きやすい環境をめざし、社員寮まで完備する酒蔵(会社)を建ち上げた。
 こちらは少々高く、4合瓶で2,475円である。

 などと一講釈ぶったが日本酒の奥は深い、純米、吟醸の区別ぐらいまではわかるが山廃やら、無濾過などと云われると「日本酒辞典」でも引っ張り出さなくては分からない。
 そんな難しい講釈は横に置いといて早く涼しい秋が来ないかな~と待ちわびつつ旨いお酒を少しずつ頂いている。

2019年9月1日日曜日

豊中市民の怒り!あきらめず!




 昨晩、豊中市内で「幕引きなんかさせてたまるか!森友問題」の集会があった。
 1部では木村真豊中市議が進行役で高橋純子朝日新聞編集委員とタレントでコラムニストの松尾貴史氏が登場し、そもそも「森友問題」とは、というテーマで両氏が語った。

 2部では山本一徳元市議の司会で宮本岳志前衆議院議員と大川弁護士がそれぞれ「森友問題」に関わっての意見を述べられた。

 1部の高橋氏は森友問題とはなにか?(端的に云うと)無理が通れば道理が引っ込む、という事ではないのかと思う。公職についている者が「法律に違反しなければ何をしてもいいんだ、罰せられなければ、このラインまではオーケーなんだ、とやってはいけないことを平気でやっている。そのキッカケをつくったのが「森友問題」だった。
 ではなぜここまで開き直れるのか、私たち国民が忘れやすいから、我々が見くびられている、いつまで森友問題やってるのかと嘲笑され、やがてあきらめムードが広がる。
 朝日新聞は最初に財務省の「公文書改ざん」をスクープした。社内にはもしこれが誤報だったら会社がつぶれる、という危機感があったが各部署が総力をあげて取材に参加した、とマスコミの立場から述べられた。

 松尾氏は、一つの例として菅官房長官の記者会見で記者からの質問に対し「その指摘はまったく当たらない」という返答がある。これって答えている様で全く何も答えていない。そしてそれ以上の追求をしない。(仮に)望月さんのような記者が「それは何故ですか」と追及しても「当たらないからです」と返ってくるだろう。
 じわじわとメディアが殺されていくことが心配だと。(ではどうすればいいか)「正論だから」というだけで教条的に言うのではなく、みんなの関心を集める、耳目を集める工夫が必要と話された。

 2部では「森友問題」を最初に国会で追及した宮本岳志前衆議院議員が「国会で初めて追求した。その時点でほぼ「詰ん」でいた事案だった。その後もいろんな証拠や音声も出てきたにもかかわらず「私や妻が関わっていたという事実は何ひとつ無かった」と安倍首相らは誰も責任を取らないでここまで来た。

 しかしこれで終わりではない、森友学園に売却された国有地、優秀な不動産鑑定士が13億円と設定した。それを近畿財務局は13千万円で売却した。この差は何なのか、今後とも明らかにして行かなければならない、明るい展望もある、不動産鑑定士会が第三者委員会を設置し検討することが決まりました。今後は国土交通委員会で追及することになる、幸い清水ただし議員は国土交通委員会に属していますから大いに期待したいと思います。

 最後に大阪12区の補欠選挙で私が出馬表明をして最初に応援に駆け付けてくれたのが「森友問題」での野党合同ヒアリングのメンバーでした。こういう合同ヒアリングも「森友問題」がきっかけでした。野党で力を合わせたたかうことを「森友問題」を通して教えられたことは大きな成果でした。

 最後はやっぱり選挙で勝って、安倍政権を退陣させ、政権交代をさせて野党連合政権をつくらなければと思います。と締め括った。

2019年8月15日木曜日

二つの初盆


 九日に義父の初盆をし、13日に兄の初盆に実家に帰った。
 義父の宗旨は浄土真宗(お西)で事前に初盆のお参りをしていただく際に準備するものをお聞きしたのだが「何も要りません」との事だった。
 当日は嫁はんと私の二人だけであったが、ご住職からは正信偈など丁寧な読経をしていただき、お勤めが終わってご住職からお盆のことについてお話しをいただいた。
 「お盆は『盂蘭盆会(ウラボン)』といいサンスクリット語=倒懸(とうけん)から来ており、その意味はお釈迦様の弟子の一人がある時、母が餓鬼道に落ち逆さ吊り(倒懸)にされ苦しんでいることを知りお釈迦様に救う方法を聞いたところ修行者たちに食事を施せば母は救われると言われ、その通りにすると母親は餓鬼道から救われた。そしてその食事を施した法会がお盆の由来です」とお話しいただいた。

 八尾の実家の宗旨は「真言宗」で、ご先祖の霊を迎えるために迎え火を焚いたり、キュウリや茄子の馬や牛を供える。今年は兄の初盆で例年、集まる兄弟会も控えて法事だけになった。
 義姉と話していると「未だにひょこっと帰ってくるよう」と言っている。私も元の職場で兄と仲の良かったOBと話をした折にOBの消息を聞いたりすると「あ、この話兄にしなければ」とつい思ってしまう事が多々ある。

 今日は8月15日、終戦記念日である。義父には戦争体験の話をよく聞いた。ただ所属していた部隊の関係かあまり悲惨な話は無く、どちらかと言えばビルマやシンガポールの美しい景色や優しい現地の人々の話が多かった。
 TVでは毎年のように終戦記念日特集的に岡本喜八監督の「日本の一番長い日」が今年も放映されている。
 天皇の玉音放送をめぐる攻防を縦糸に暴走する将校を若き黒沢年男がそして玉音盤を必死に守る侍従を小林桂樹が好演しており橋本忍の脚本が無謀な戦争に突き進んだ軍部の結末を見事に描いている。
 原作が半藤一利氏である事を映画公開時は知らなかった。


               
            訂正:義父は浄土真宗大谷派(お東)でした。

2019年8月10日土曜日

二度の裏切り

 
 昨日9日、大阪地検特捜部は佐川元国税庁長官ら10人を再び不起訴処分とした。
 去年5月に森友学園をめぐる決裁文書の改ざんや交渉記録の廃棄、国有地の値引き売却の問題で刑事告発されていた財務省の職員ら全員を不起訴にしたが検察審査会が、財務省の職員らの不起訴は不当だと議決したことを受けて再捜査を行っていたが改めて全員を不起訴としたのである。これによって一連の捜査は終結し、佐川氏らの刑事責任は問われないことになる。

 一昨日は佐川理財局長(当時)らの圧力により文書改ざんを強制され良心との板挟みで自死した近財職員の公務災害が昨冬に認定されていたという報道があった直後の不起訴処分である。

 大阪地検特捜部が森友事件に着手した当初、女性特捜部長が異常な執念をもって捜査にあたっていて疑惑解明と佐川氏らの逮捕もあるとの観測もあった。
 しかし、捜査結果は全員の不起訴ということになり、その後、その女性部長は函館地検に移動となった。不起訴にした褒賞だという見方や、いや札幌ではなく函館だから左遷だという見方も当時ささやかれたらしい。
 裏に官邸の力が働いた可能性は大いにあると思うがご当人の気持ちは分からない。しかしこの不起訴処分(刑事罰)で佐川氏が大手を振って天下り先に行けるのは確実だろう。

 因みに検察審査会制度とは,国民の中から選ばれた11人の検察審査員が検察官の不起訴処分の当否を審査するもので,検察官の職務の上に一般国民の良識を反映させ,その適正な運営を図ろうとする目的から設けられたものとある。
 
 大阪地検特捜部は、国民の期待を二度裏切ったことになるのではないか。


2019年7月29日月曜日

本気の野党共闘の前に

 

そろそろ、私なりに、この度の参議院選挙の総括をしなければいけないかな、と思っていたら目を疑う画像が出てきた。それはLITERAに載っていた「国民民主党・玉木代表が民意を裏切って改憲協力へ!」という内容の記事で、その証拠の画像がyoutubeで流されていた。(youtube「文化人放送局」で視聴可能)文化人放送局というのは右翼系の番組を流す放送局らしいがその番組の中で以下のようなことを言っていた。
  「はいっ。参議院選挙終わってですね、えー、まあ、選挙期間中も私、いろんな声、聞きました。で、反省です! 我々モリカケ問題、これ国会でかなりの時間取りましたから、結果として国政の重要課題について議論する時間が少なくなってしまったこと。そして、それを国民のみなさんに示すことができなかったこと。これは本当に反省しなければいけないと思います。これは本当にお詫びを申し上げたいと思います」

「その上で、私ね、生まれ変わりました! 安倍総理、たしかに総理の考えと私、違いますけど、憲法改正の議論はしっかり進めていきましょう!」 
 これって何なのだろうか?画面で喋っているのは間違いなく玉木国民民主党代表である。私はその軽い喋り方に違和感を覚えつつ、その発言内容に驚いた。それは「私ね、生まれ変わりました!安倍総理、たしかに総理の考えと私、違いますけど、憲法改正の議論はしっかり進めていきましょう!」とは何事か!

 
 今度の参院選にあたり、5野党・1会派により野党統一候補の擁立を実現させのだが 当然、国民民主党玉木代表もその一員として安倍首相が進めている憲法改悪に反対、阻止するという共通政策に合意し署名したはずである。にもかかわらず、このような番組に自ら登場し、安倍首相!改憲論議をしっかりすすめましょう!」と呼びかけるとは何事!

   さらに、私が最も許せないのが「我々、モリカケ問題、これ国会でかなりの時間とってしまい、結果として国政の重要課題について議論することが出来なかった、だから国民の皆さんにお詫びし反省をする」という言い方である。

野党共闘の約束を破り、安倍改憲論議に自らのめり込もうとする裏切り行為を正当化するため、一国の指導者が国家行政を私物化し、そのために人ひとりの命が奪われた、という重大な問題である「森友学園」問題を言い訳に使うという事ではないか!

 今回の玉木代表の発言の根底には、自公で安定過半数という事象のみに目を奪われ、改憲勢力が3分の2を割り込んでいることや、全国10の一人区で野党統一候補が勝利していること等に目を向けられない確信の無さがあるのだと思う。そして改憲勢力が3分の2を割り込み危機感を覚えた安倍首相が国民民主党を改憲勢力に取り込もうとしている計略にまんまと嵌められた玉木代表の底の浅さがあるのではないかと思う。

   本格的というのはおこがましいが、私なりに選挙総括する場合、その第1義は「野党共闘」のあり方についてであると思うが、その前にとんだ邪魔者が入ったようで「本気の野党共闘」の総括はまだ少し先のことになるかもしれない。
 


2019年7月20日土曜日

明日の日本をこの一票で!


 トランプ大統領が民主党の4人の女性議員に対し「(この国アメリカが嫌いなら)国へ帰ったらどうか、出て行ってもらったらいい」と露骨な演説をした。
 大統領再選を目指しているトランプらしいと思いながら画面を見ていたがこの演説を聞いている聴衆が「国へ帰れ!」とコールしているのを見て私はナチスドイツのヒトラーの演説に対し、聴衆が「ハイル、ヒットラー」と応え、唱和するシーンを思い出した。
 たえず敵をつくり、アメリカファーストと民族意識を煽るトランプはヒトラーそのもののようだ。

 そしてこちら日本の首相は街頭演説で聴衆のヤジを嫌いステルス日程で各地を遊説したがそれでも「安倍やめろ!」「増税反対!」の声は止まず、ついには警察権力を使い、野次った聴衆やプラカードをかざしただけの女性も排除したという。

 トランプは民主党オバマ政権時代を「何も決められなかった政権」と批判し、安倍首相は民主党政権を「悪夢の時代」と揶揄し、まやかしの数字を使いアベノミクスの成果を宣伝している。
 反対に自分の気に入らないマスコミには「フェイク!」(トランプ)と叫び、「(2者択一的な質問は)何か意図的なものを感じる、やめた方がいい」(安倍首相)と言った。その手法、やり口の類似性には驚くほかない。

 トランプ大統領との親密さを誇り、その政治的パフォーマンスまで真似る首相にこの国の未来を、いや明日からの日本を任すことは到底出来ないと思う。

 みんなの一票でそれを示して行こう!

2019年7月10日水曜日

蓮の花となれ!

 
 参議院選挙が始まり、テレビで政見放送が放映されているが自民党は安倍総裁と三原じゅん子女性局長の対談形式で流されているがその内容は安倍首相を天にも持ち上げるヨイショだらけの内容だった。

三原議員「総理、いま国際情勢
  は、米中貿易摩擦、北朝鮮情勢、英国のEU離脱問題、緊迫する
 中東情勢など、激動のなかにあります。こうしたなかでG20大阪
 サミットの議長を務められました。手応えはどうでしたか?」

安倍首相「貿易で生まれた富がすべての人に行きわたるルールをつ
  くることが大切。この点は、私はトランプ大統領にはっきり、
 申し上げているんです」と胸を張ったがアメリカの保護主義には
 触れず「トランプ大統領にも物が言える」んだ、と言わんばか
 りに述べた。
 
 そしてトランプ仲良し自慢のあとは、改元を安倍首相の手柄とPRし政治利用し、そして話は、ようやく国民の生活に直結する年金問題へ移るのだが、三原議員はこのように話題を誘導した。
 
 「一部の野党は、高齢者のみなさんにとって大切な年金を政争の具にし、具体的な政策も示さないまま、ただただ不安を煽るだけの議論に終始していることは、大変残念に思っています。日ごろは与党の揚げ足取り、政策の議論を重ねないまま、選挙目当てで、人気取りだけで、実現できるかも怪しいような政策を言い始める。所属政党はコロコロ変わり、対案なしで何でも反対、こんな野党には、絶対に、負けるわけにはいかない心からそう思います」と話題に
なった安倍内閣不信任案の反対討論に立った三原議員の演説を政見放送で“再現”してみせただけである。

 三原議員は大臣ポストが欲しくて過激な演説に及んだ、という噂もある。お互いの本心は知らないが、白いスーツに身を包み異様なまでに首相礼賛を繰り返す三原議員に対し、目じりを下げ、だらしなく緩んだ頬を震わせヨイショに乗っかる安倍首相には不快感すら覚えた。


 こんな政見放送を見ていて「フーテンの寅さん」の主題歌「男はつらいよ」の歌詞の一説を思い浮かべた。

  ドブに落ちても根のある奴は 
     いつかは蓮(はちす)の花と咲く
というのがある。

 どんな境遇に遭おうとも心根の良い人はきれいな蓮のように花も実もある人生を送るだろう、という意味だと理解している。

 三原議員は行く先々の街頭演説で「恥を知れ!」と国会での反対演説の「野党は恥を知りなさい!」の台詞を逆手に取った猛烈なヤジにさらされているらしい、いくら真っ白なスーツを着てもその心根の卑しさは隠せないのだろう。
 
  ここは色は黒いが心の真っ白な辰巳コータローに再度、蓮(はちす)の花を咲かせてほしい。

ベランダの姫睡蓮、今年は二つ同時に咲きました