2015年6月7日日曜日

久しぶりの堺

  昨日、「さかい利昌の杜」という施設を見学した。午前中に、きり絵の前田尋さんの3人展が堺市内であり、見に行った帰りに寄ってみた。
 今年の3月に堺市が歴史文化施設として旧市民病院の跡地に建設したものだそうで、是非見学したいと思っていた。堺に縁の「千利休」と「与謝野晶子」にまつわる展示施設という位の予備知識しかなかったがガラス張りの立派な建物と受付と案内の女性スタッフが明るく、親切な対応が好印象であった。
 玄関を入ったフロアーが堺の古地図になっていて、「調御寺」が顕本寺と同じ大きさで表示されていて、何か誇らしい気持ちになる。
1階は「利休」に関する資料展示で、自治都市「堺」の成り立ちが様々な資料で解説されている。写真のパネルの南蛮船の上に「SACAY」と表記してあるのはローマ字表記の「SAKAY」の誤りではなく、ポルトガルでは「堺」をこう表記していたとの事で、同じフロアーに展示されているヨーロッパの古地図には日本を代表する都市として「SACAY」と記されてあった。

  利休の紹介については、館内の映写コーナーで15代楽吉左エ門さんが10分足らずの画面で語っている。千家の家元が語っていないのが面白い。身内のことは語らずということか。
 2階に移ると、与謝野晶子の展示室である。生家の「駿河屋」の店先が再現されている。情熱の歌人というのが一般的な評価だが、私は、鉄幹との間に12人の子供をもうけ、甲斐性の無い鉄幹に代わり、髪振り乱して孤軍奮闘、来る仕事はすべて断らず、短歌の職人だった、という印象を持っている。
 この偉大な二人の偉人に対する展示としては、「利昌の杜」はあまりにも規模が小さすぎるような気がするが、しかし清潔な館内とスタッフの気持ち良いサービスはその分を補っている。
 施設を出てから先日、調御寺のご住職から「利休井戸がきれいに公開されているよ」と聞いていたので覗いてみると、写真の様な門まで建てて、ボランティアガイドの方が説明してくれた。
 以前退職者会で堺の街歩きをしたときも、ボランティアガイドの方が丁寧に案内してくれたが、堺市は今、「百舌鳥・古市古墳群」を世界文化遺産に、と意気込んでいるからかこの点は本当に充実している。
 帰り道、阪堺電車に乗る前に、「本家小嶋屋」の「芥子餅」を買おうとダメもとで店を覗いてみると運よく開けていた。近くに
もっとおおきな店を構えた「小嶋屋・芥子餅」があるが昔から何となくこの小さな店の芥子餅が好きで買っている。天気も良く、爽やかな風に吹かれ阪堺のちんちん電車で帰った。

5 件のコメント:

  1.  利晶の杜、利休井戸の目と鼻の先で育ちました。
     開館前から地元の同級生から「こういうのができるから案内するで」と聞いていたので、いつ行こうかなと思いつつ未だ行っておりません。
     旧堺散策、利晶の杜、ちくまの蕎麦というOB会の遠足を考えたりしましたが、少しスケールが小さいでしょうか。
     なお、旧市民病院には裏口があり、よく霊柩車が横付けされるので腕白どもは死人病院と言っておりました。利休井戸は全くただの焼け跡の空き地でした。

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  2.  竹山おさみ堺市長のツイッターに、利晶の杜オープニング記念でふとん太鼓の担ぎ出しが行われているそうですね。7日には大甲濱(だいかいはま)のふとん太鼓が利晶の杜駐車場に担ぎ出されたとありました。

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  3. 当日、お昼を食べる処が見つからず(施設内は飲食禁止、隣接のレストランは団体予約で満員)道路向かいのお好み焼き店で焼きそばを食べましたが店内に「大甲濱ふとん太鼓」の写真が沢山ありました。

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  4. 訂正:芥子餅を買ったのは「本家小嶋屋」ではなく「本家小嶋」です。2軒は、本家争いをしている訳ではないようですが、創業は「本家小嶋」の方が古いそうです。百貨店など手広く販売しているのは「小嶋屋」の方です。

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  5.  百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録を推進する超党派の議員連盟には共産党の宮本岳志衆議院議員も副幹事長に参加しています。「天皇等支配者の墓なんて」と教条的に言っていないところがいいですね。
     歴史や文化を大事にしながら眼前の政治問題も語りたいものです。
     ひげ親父さんのスタイルに同意します。

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