今日15日は二月堂のお水取りの最後を飾る「だったん帽いただかせ」の日、今年こそはと思っていたが、友の忠告に従い、いつか来る日を期して、京都の百万遍・知恩寺の「てづくり市」へ、ここに通い始めてもう10年になるだろうか。ずいぶんと客も多くなって狭い境内は人でいっぱい。
東寺の弘法市や北野天満宮の骨董市はいわゆる専門業者の市だが、ここは本当の素人、作家さんたちが実行委員会を作って、運営している。その分、個性的な作品や品物が多く、今日もイイ色目のマフラーとハンチング帽を買った。
嫁はんは、お目当ての猫の絵ハガキ屋さんが出ていない、と言いつつ、彫刻刀を買っていた。品物の店以外にも、若い娘たちが手造りのパイや、ケーキをコーヒーと一緒に売っている。
昼前には陽ざしも出てきたので、哲学の道を南下、平日のシーズン前という事で人影もまばら、ゆっくりと個性的な店を覗きながら、永観堂までたどり着いた。
私は知らなかったが、ここには「みかえり阿弥陀さん」という重文があり、せっかくの機会だからと拝観することにした。お寺の案内文には「みかえり」の由来である、不思議な出来事の年月日まで記されている。
永保2年(1082)2月15日、念佛行に励む僧、永観の前にご本尊の阿弥陀如来が立ち、行道の前を歩かれたという。あまりの事に驚き、立ち尽くす永観に阿弥陀様は左肩越しにふり返り「永観、遅し」と言われたという。
永観はその尊い姿を後世に伝えたいと願い、この仏がつくられたという事である。
佛像はふり返るお顔をよく見るために正面右側の間近まで近寄れるようにしてある。解説書には「みかえり」の姿に
「遅れる者を待つ姿勢、思いやり深く周りを見つめる姿勢、そして自分自身をかえりみ、人々とともに正しく前へ進む姿勢」それが阿弥陀様の想いであるとしている。
う~、大阪市の誰かに聞かせたい言葉ではあるようだ。
!百万遍のてづくり市は、たしかベネシアさんの放送でも紹介されていて、妻とも一度行きたいと思ってネットで日時の確認もしていたのですが失念していました。残念。
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