一昨日のBS「新日本風土記SP」は-今も日本各地で目撃される妖怪を
訪ねて-という「川口浩探検隊的」な特集だったが、中味は楽しく、かつ郷愁を誘うモノだった。中でも、超現代っ子たちが自分たちの住んでいる街角に妖怪の痕跡を訪ね歩くという企画が面白かった。
ゴミ捨て場に放置された古いテレビやいたずら書きされて捨てられた家電品が妖怪になるのではないか?と想像を膨らませていく。科学とメディアの現代に生きる子供たちが、こんなにも豊かな情感を持っているのかと感動した。
登場する大人たちも、子供の頃に見た、(実際に見た!)河童や座敷わらしをごく身近な存在として自然に接していた事が画面を通してすんなり受け入れられる。
そんな中で登場したのが「件」(くだん)の話。体が牛で顔が人間という妖怪で、国の凶事を予言し3日後に死ぬという。実はこの話、かなり昔に小松左京のSF短編「くだんの母」で知っていた。終戦間近の疎開先の名家に、重い病に伏す娘とその母がいて、娘が「近いうちに日本は負ける」と予言し3日後に死ぬ、と云う話だったと思うが、この頃、左京や星新一のSF小説にハマっていた私は、人と牛と書いて件(くだん)と読む、そして、「くだんのはは」は流行した「九段の母」のもじり、だという種明かしに大いに受けたものだった。
左京氏も妖怪話に題材を録り、書いたものらしいが、番組では、敗戦濃厚の軍部が、この種の話、今風にいえば都市伝説にも、人心を惑わす、と神経を使っていた事が紹介されていた。UFOは信じない私ですが、この種の話は大好きで、かなり信じています。
山本作兵衛も「実際に見た?狐の跳梁」を絵と文に書いています。
返信削除「ガス焼け患者の火傷の皮が大好物な狐が裏隣の主人の皮膚をむしりとったので死んだ。」と言うことを「20世紀の文明を呼号する時世にこんな怪談めいた事実があった。」のだと。
極限の死の恐怖が産んだ強烈な忌みごとや迷信や狐を誰が笑うことが出来るでしょうか。
和道おっさんのブログにコメントを書きました。
返信削除そして、オセロの中島についてカミングアウトしました。