大阪歴史博物館で開催中の「超絶技巧」展を見た。出展作品の多くは-清水・三年坂美術館-所蔵のものだ。日本の美の頂点・「小さきもの」、芸術家ではなく職人・名工が残したものは印籠・根付などとともにその多くが海外に流出した。
子供の頃から小さいものが大好きで、骨董好きになった原点のようなものである。
金工(刀の柄の飾り)など武家社会と深くかかわった江戸の職人の技術の凄さが明治になって芸術作品となり、シカゴ万博などで諸外国を驚嘆させた。
職人の一人は大阪造幣局で、我が国初の金貨原型彫刻をまかされ、技術指導で招かれた外国人技師がその技術の高さに「何も教えることはない」と帰国したという逸話もあるらしい。
写真は骨董市で見つけた20センチ足らずの「小引き出し」である。昭和の初期のものであろうが、指物の技術が生かされ、今も少しの狂いもなく切手入れとして重宝している。
これは現代の「超絶技巧」といってもいいのでは、と思う「ミニチュア・ギター」である。大きさは10センチ足らず、なにが凄いかというと、このモデルは「憂歌団」の内田勘太郎が使っていたギターを表面の傷も忠実に再現しているのだ。
作っているのは京都の吉田さんという人で、若い頃は「杉田二郎」らとバンドを組んでいたらしい。とにかく一点、一点の作品に対する思い入れが凄く、愛情が感じられる。
彼は職人ではなく、作家と呼ばれるのであろうが、(職人とは、同じものを同じように、幾つでも作れる者をいう)その技巧は「職人」に通じるものがある。
掲載された作品とその作家にも感動を覚えますが、それを蒐集してブログにアップした「ひげ親父」さんにも、危うい偉さ(これは誉め言葉)を感じます。コレクションの薀蓄シリーズをゆっくり展開されることを期待しています。
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