2010年11月4日木曜日

 伊丹の柿衛文庫で、3日から「鬼貫のすべて」を開催中という事で初日に行きました。「鬼貫」は、伊丹風俳諧の基礎を築いた人物ではあるが歳をかさねる毎に俳句を上手くつくる技を嫌い、話し言葉や会話を使い、毎日の普通の気持ちを素直に詠みました。武家の出という事もあり、いわゆる俳諧師、先生にはならず、弟子も少なかったこともあり、没後はあまり評価されませんでしたが、蕪村らが「東の芭蕉、西の鬼貫」と称賛し、再び光をあてました。
 「行水のすて所なき虫のこえ」や「冬はまた夏がましじゃといひにけり」など、まさに日常の会話、動作から生まれた親しみやすい俳句は現代にもすんなりと受け入れられる句です。
 会場の柿衛文庫も、3日は「関西文化の日」と「開館記念日」が重なり、入場無料で、かなり賑わっていました。庭の柿の木にもたくさんの実がなり、熟した柿とお抹茶を頂き甘露、甘露。

1 件のコメント:

  1.  鬼貫は「かろみ」なのでしょうね。
     行水の句の季語は行水(夏)ではなく虫の声で秋ですか。
     虫しぐれ母のねむりは母のもの 杉本艸舟 というのもしんみりきます。

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