2019年5月24日金曜日

文房に酔う


 大阪市内での会議が昼前に終わったので東洋陶磁美術館に「文房四宝」展を見に行った。
 「文房四宝」とは、筆、墨、硯、紙のことである。今回の展示物は主に中国明時代から清時代の文房具約150点のコレクションがラインナップされている。
 最初の「筆」は筆の軸と穂先を保護するキャップが一体の文具で堆朱(漆を塗り重ねたもの)の生地にさまざまな彫刻を施した凝ったものだった。
 筆先を痛めないようにキャップをつけるという形態は日本の筆には無い形だ。

 「墨」は大小合わせて1516個が並べられていた。
 そして見物は「硯」だ。掌の中に納まるほどの小さいものから30センチ近い大物まで。硯で有名な端渓の物も並んでいた。
 そして最後の「紙」だが目に付いたのは「詩箋(しせん)」と呼ばれる清時代後期の便箋と封筒だ。鮮やかな黄色に5爪の龍が織り込まれた薄絹に紙で裏打ちされた物で形は現代の封筒(長形3号)と全く同じ形だった。
 今回入り口で「カメラ撮影は可能です」と云われたが予定になかった見学だったのでカメラは持っておらずスマホでパシャパシャと撮っている人たちが羨ましかった。
 
 館を出て先日長谷やんのブログに出ていた「楝」の花を見に行った。館の近くの「栴檀の木橋」のたもとに栴檀(楝は栴檀の別名)の木があり長谷やんのブログで思い出したのだ。かなり成長した木にはまだ花が咲いていたが見ごろを過ぎ、歩道上に沢山散っていた。

ブログから
 *栴檀の木橋で思い出したが確か桂米朝さんの落語に商家の
  大旦那さんが番頭さんに「旦那」の謂れを言って聞かせる
  場面があって、旦那の旦は栴檀の壇からきている、という
  くだりがあったと思うのだが噺の題名がわからない、
  スノーさん教えてください。
 

5 件のコメント:

  1. 「百年目」です。

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    1.  有難うございます。米朝・栴檀の木橋・旦那で検索したのですが、、、
      さっそく調べてみます。

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  2.  撮影可!は良いですね。
     光で劣化しないようなものでも撮影禁止が多いのはどうしてでしょうか。土産の絵葉書が売れないからでしょうか。
     赤栴檀(しゃくせんだん)と難莚草(なんえんそう)。お二人の博識に感心しております。

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  3. ついでに思い出しました。米朝落語の「子ほめ」に「栴檀は双葉にしてかんばし、蛇は寸にしてその気を現す」とか申します。私もこういうお子さんに、ああ、あやかりたい、あやかりたい。てなこと言うてみいな、親が喜んで天ぷらで一杯やがな。というのがありました。

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  4. スノウさん、見つけました!youtubeは有難いですね。米朝さんの「百年目」の後半、番頭さんを諭すくだりで、赤栴檀と難莚草の謂れを話す辺りがイイですね。
    「子ほめ」も見てみます。

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