全国革新懇が発行する「全国革新懇ニュース」に素晴らしいインタビュー記事が載った。語るのは作家の髙村薫さんだ。
髙村さんは社会派ミステリー作家として有名な方でグリコ・森永事件を題材にした「レディジョーカー」や異常なまでに綿密な取材と下調べで描いた「土の記」(未読)など、とにかく読むのに猛烈な忍耐と記憶力がいる長編大作を書く人だ。
その髙村さんが今の政治状況をこれほど簡潔かつ明確に語っておられることに驚いた。多分この記事の数倍を語っておられるかも知れないし、反対にインタビューに応えて語っておられるように言葉を削りに削って語られたのかもしれないがとにかく今の政治状況、特に大阪のダブル選挙後の私の欝々とした気持ちをスカッとさせてくれた記事だった。
以下、髙村さんの語った要点を紹介したい。(安倍一強政権で起こっている忖度政治について)
*( )内の質問内容は私が勝手に書きました。
髙村-どんな人格者でも長く地位にいれば必ず腐敗します。人間
の常です。政治が腐敗すると当然、官僚も腐敗します。
(中略)政権交代がいつあってもおかしくない緊張感があれば
起こりえないことが起きています。
安倍政権を続けさせているのは、私たち有権者です。このの常です。政治が腐敗すると当然、官僚も腐敗します。
(中略)政権交代がいつあってもおかしくない緊張感があれば
起こりえないことが起きています。
政権に代わる選択肢が見えないことが一番大きい。大変不幸
なことです。
大阪府知事選挙で、府民である私は自問しました。自民党
政治が続いたら大阪は沈没する。しかし維新は私の政治信条
に合わない。究極の選択を迫られるわけです。
野党は共闘しなくては自民党に勝てません。
(戦後民主主義と政治の右傾化について)
髙村-政治の場で原理原則が崩壊しています。教育勅語にも良い
ことが書いてあるとかなんとかいう国会議員がいますが教育
勅語は戦後、国会決議で完全否定されています。内容云々で
はなく、そもそも持ち出してはならないものである。これが
原理原則です。
問題の源流を辿ると、戦後の私たち日本人が、誰があの戦争を引き起こしたのか、誰に責任があるのかを検証せず、み
んなが蓋をして、きちんと清算してこなかった。そこに行き
つくと思います。
(改元と日本の政治の将来)
髙村-安倍首相が得意気に新元号の「解説」をやりましたが“違
訳„も甚だしい。失笑ものです。政権が笛を吹けば国民が踊る
と思っているのでしょうか。元号にかこつけて自分の政治信
条を述べるなど、とんでもなくみっともないことです。
(中略)実戦経験のない自衛隊を海外へ派兵するなど、全滅
して来いというようなものです。日本に戦争するお金はあり
ません。日本に戦争ができるわけがない。これが常識的な判
断です。政府がなにも考えなさすぎていることに怒りが湧き
ます。人の命をなんだと思っているのでしょうか。
(政治は言葉だ)
髙村-政治は一から十まで言葉です。政治イコール言葉です。政
治の場で言葉が軽視されているということは、政治に中味が
無いということです。(中略)桜田さんに大臣が務まるはず
もありませんが、彼の答弁を含めた国会議事録が後世に残る
のです。(中略)
世の中なにかと言葉を連ね、「共感」を求め合っていますね。私は逆です。孤独でありたいです。世の中の付和雷同に
抗って立っていたい。その中で自分が正しいと思うことをや
りたいです。言葉はむしろ削っていくものだと思います。
私にとって、書くとは削ることです。
(改憲をいう人たちに)
髙村-天皇即位も新元号も、何かの新発売もみんな横並びなんで
すね。みんなでわっと騒いで終わりです。
社会にとっての時代の節目は東日本大震災だったと思った
んですけど、変わらなかっですね、この国は。
日本人が少し地に足をつけた生き方をしていくだろうと思った。そうでなければおかしいでしょう。日本人は変わる
機会を逃したと思います。
政府も経団連も原発を推進するなど、とんでもないことで
すよ。
改憲の是非を議論する以前に憲法を守ることが政治の原則
である、という原理原則に立ち戻ることの方が大事ですよ。
憲法を無視する政治の下で改憲を議論しても空しいだけす。
今ある憲法を政治がきちんと守る、先ずはそこからです。な
し崩しになっているところで改憲もなにもない。政治を原理
原則へ立ち戻らせるのは、私たち有権者です。
どうだろうか、見事なまでの(物の)見方ではないだろうか。
(政治は言葉だ)のところは、作家としての髙村さんのポリシー
の部分の吐露だと思うが100%頷くことは出来ない部分もある
が、それ以外はどの言葉を見ても今の私の気持ちをスカッとさせ
てくれた。大阪にこんな素敵な人がいるのだ、
大阪人よ、目を覚ませ!大阪万博やカジノ付きIRに浮かれて
いる場合ではない。
今一度、維新の風に煽られずに勇気を出して原理原則を語ろう
ではないか!
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