9日の長崎平和祈念式典後の被爆者団体と安倍首相との会談での被爆者団体代表、川野さんの訴えには驚かされた。
通常は首相ら政府側が被爆者団体から要望を聞く場であり、冒頭セレモニーとして要望書を手渡すのだが、今回はいつもとは違う切羽詰まった思いが安倍首相にぶつけられた。
「貴方はどこの国の総理ですか!私たちをあなたは見捨てるので
すか!」と。
会談後、川野さんは、「失礼な言い方だったかもしれませんがそれでも反応は出てこなかった。残念です。」とその反応のなさに驚き、唇をかみしめておられた。
国連で「核兵器禁止条約」がついに採択された、という記念すべき年の大会であった。
ヒロシマ、ナガサキの被爆者たちの長年の地道な運動が実り、国連で条約が締結されたその会議の場に唯一の戦争被爆国である日本の代表がいなかったのである。政府に裏切られたという思いが川野さんらに強くあっての行動、言葉であった。
テレビで見る限り、要望書を受け取る安倍首相の顔に驚きも、戸惑いもなかったように見えた。この男には被爆者の切羽詰まったこの声、訴えにも何の感慨もないのかと思った。
会談後の記者会見で首相は「真に『核兵器のない世界』を実現するためには、核兵器国の参加を得ることが不可欠だ。しかし、条約には核兵器国が1カ国として参加していない」とし、「核兵器国と非核兵器国の隔たりを深め、『核兵器のない世界』の実現をかえって遠ざける結果となってはならない」と主張し「条約は、我が国のアプローチと異なるものであることから、署名、批准を行う考えはない」との方針を白々と述べた。
この事を報道したある局の女性キャスターは、中満泉国連軍縮担当上級代表とのインタビューの中で「(核兵器廃止への)我が国のアプローチと異なるから条約は批准しない、ということについてどう思うか」と質問した。
中満さんは「被ばく者の方々はじめ市民社会の方々も言葉を尽くしていろんな所で発信されてきた、(そのことが)私の原動力というか動機にはなっていた」と前置きした上で「むしろ日本の国内でいろいろ議論して頂きたい、・・・目に見える形でこれからの核軍縮に向けた歩みを止めないでほしい」と答えた。
コーナーの結びで女性キャスターは核保有国及び同調する国の中で唯一、国連会議に出席したオランダを引き合いに出し、「出席を促したのは国民の署名だった」と紹介し国民の取り組みの重要性と必要性を付言した。
私も友が購入してくれた中満代表が付けているのとお揃いの折り鶴バッヂを着けて外出している。
■ 核兵器禁止条約 【第1条】 禁止
返信削除締約国は、いかなる場合にも、次のことを行わないことを約束する。
(a)核兵器またはその他の核爆発装置を開発し、実験し、生産し、製造し、その他の方法で取得し、保有しまたは貯蔵すること。
(b)いずれの核兵器、その他の核爆発装置またはその管理を直接または間接にいずれかの受領者に移転すること。
(c)核兵器または他の核爆発装置の移転またはその管理を直接または間接に受領すること。
(d)核兵器またはその他の核爆発装置を使用し、または使用の威嚇を行うこと。
(e)この条約によって締約国に対して禁止されている活動を行うことにつき、いずれかの者に対して、いかなる様態によるかを問わず、援助し、奨励しまたは勧誘すること。
(f)この条約によって締約国に対して禁止されている活動を行うことにつき、いずれかの者から、いかなる様態によるかを問わず、援助を要請しまたは受け取ること。
(g)自国の領域または自国の管轄若しくは管理の下にあるいかなる場所においても、核兵器または核爆発装置を配置し、設置し、または配備することを許可すること。
・・・第1条は以上のとおり、素晴らしい内容だと思う。
禁止条約への各国の署名が始まる9月20日から、国連が定めた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」(同26日)までの間、「草の根」からの世界同時行動(「平和の波」)に取り組まれる。その草の根の一草になりたいと思う。
金正恩とトランプのロシアンルーレットを見るにつけ、この条約が「理想に過ぎる」のではなく、この国際世論こそが真の問題解決の方向だと私は思う。
朝日新聞の南彰記者が菅官房長官に『ある政治家が「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と書いているがその政治家は誰かわかるか』と問うと「知らない」と答えたので、「著者は貴方です」と指摘した。
返信削除私のブログに『コメントしようと思いながら「言葉が足らない」と思われはしないかなどと言葉に詰まる状態がありました。無関心ではないのですが・・・猫侍さんに勇気をもらいました。ブログがんばって書きます』というコメントがありました。がんばれ!