2017年7月14日金曜日

ベニスの商人的発想で!

 
 関西電力が電気料金の値下げをすると発表した。
 記者会見や公式通知では「平素は、弊社事業に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。弊社はこのたび、高浜発電所3、4号機の本格運転の再開を受け、平成29年8月1日から、関西のすべてのお客さまの電気料金を、平均4.29%値下げすることといたしました。あらためまして、高浜発電所3、4号機の運転再開にあたりましては、これまで一方ならぬご理解やご支援を賜りました皆さまに、心より厚く御礼申し上げます。今回の電気料金の値下げは、2度の値上げによりご迷惑をおかけしたお客さまに、高浜発電所3、4号機の運転再開による火力燃料費等の削減分と、経営効率化の深掘りの成果等を、ご使用量が多くなる夏場に向けて、出来るだけ早くお返しすべく実施いたします。」としている。
 
 世間一般的には料金値下げを歓迎する声もあるかもしれないが私はちょっと待ってくれと言いたい。
 そもそも2年前、高浜原発の運転停止の判決を受けて関電は火力発電用燃料費の増加を理由に電気料金の値上げを行った。その時の私の実感は原発停止だからと値上げにも寛容だったと思う。
 というよりも全国の原発が止まり、未曾有の電力不足になる、国民全体が節電に励むべし、との大号令がかかっていたのだが、本当はそんなに節電をした実感はなかった。むしろ国民全体が原発なしでもやっていけるんだ、と自信を付けたと思う。
 確かに火力発電が増えたことは事実だろうが、再生可能エネルギーの開発を怠り、原発停止の仕返しの如く火力発電の増強、よって料金の値上げ、という無理やりのソロバンをはじいただけだ。

 そして2年後の今年、高浜原発2号機、3号機の再稼働を認める判決が出た途端、冒頭の声明を出し、おためごかしの料金引き下げを打ち出した。
 私は再度「ちょっと待ってくれ」と言いたい。
「3,4号機の運転再開にあたりましては、これまで方ならぬご理解やご支援を賜りました皆様に、」とし、「2度の値上げによりご迷惑をおかけしたお客様に」と勝手に理由づけしているが私は「ご理解もご支援もしていない」し、「(原発停止による)値上げによる御迷惑」を受けた覚えもない、あくまで、「原発停止で値上げもやむなし、今の生活で電力も足りている」「電気料金はこのままでいいから高浜原発の再稼働はしていらん」と思っているのだ。

 いま私は「原発再稼働しましたからとの理由での値下げには同意しないので値下げ分は返納したい、だから原発稼働分の電気は要らないのでその分だけ電気を止めて頂きたい」と訴えたいと夢想している。
 ちょっと「ベニスの商人」的発想で気に入っている。

2 件のコメント:

  1.  テレビの解説でも値下げの理由は「電力自由化で大阪ガスに顧客を奪われているための値引き競争だ」と言っています。つまり、再稼働によるというのは嘘だし、虚偽のキャンペーンです。
     いま全国では「わずかな値段でなく一番クリーンな電力会社を選ぼう」という運動も始まりました。ところが政府は、「これでは実際上の廃炉が進む」として、再生可能エネルギーの電力会社にもフクシマ等の費用を負担させるようにしました。なんと姑息な悪知恵でしょう。
     それはさておき、東大寺二月堂のお水取りのお水は若狭の神宮寺からお水送りされたものとされています。私はこの古い仏教行事を見るたびに、原発銀座の面々に「この罰当たりめが」と怒っています。

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  2.  FBへも上手く共有されましたね。今度会ったときには経験を教えてください。

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