2017年7月29日土曜日

見守り(ゆるやか介護)の日々

 義父の絵手紙を借りて「暑中お見舞い申し上げます。」

 七月もあとわずか、デイサービスから帰ってきた義父との会話。
 「今日は何してきましたか?」「ホールでコンサートがあった。」とチラシを見せてくれた。
 若い女性のバイオリンコンサートだったようで曲目には童謡のようなものもあった。「知ってた歌はありましたか?」「いや、なかったな~」と味気ない返事。
 話を変えて「来月は八月、十五日の終戦記念日がまた来ますね!」と問いかけると「終戦?そうか、もう何年になるんかな~」というので計算して「終戦から72年ですよ」と応えると「もうそんなになるか、」としばし考え込んでいた。
 「終戦のときはどこに居たんですか」というと「部隊はシンガポールやった」と云う。
 捕虜にはならなかったのか?と聞いたが敗戦国の軍隊やから捕虜の扱いではなかった、と意外な答えだった。
 恐らく武装解除されて現地に留め置かれたのだろう、その期間がどれ位で、いつ日本に送還されたのかはよくわからなかったが広島県の宇品港に着いたらしい。
 宿舎(?)には全国各地の状況、つまり帰るべき故郷の町の空襲による被害状況が赤い色で示されていた。義父の田舎、福井も所々赤い色で塗りつぶされており、「帰っても家はないかも知れんな~」と思ったという。(その後、家は無事だったようだ。)
 以前にも書いたが義父は陸軍航空隊に所属していて、作戦司令部の様な部署に所属していて実戦の場面にはあまり出くわさなかったようだ。だから内地に帰り、広島の原爆や大都市の大空襲の話を聞くにつけ内地の人の方が怖い目に遭っていたんだなーという感想だったがこれが正確な記憶に基づく戦争観だったのかどうかはよくわからない。終戦の話はそれぐらいで終わった。

 夕刊を取りに行き、テーブルの上に置くと暫し眺めていて「蓮舫、辞任てなんや?」と聞くので「民進党代表を辞めた」と言うと良く分からなかっようだが「蓮舫は台湾人やな」と云ったのには驚いた。
 普段テレビは見ないし(昔から)タレント時代の蓮舫は知らないだろうし代表に就いたのは去年だし、まさか最近の二重国籍問題を理解していたとは思えないが、時々驚かされる。

                               

2017年7月23日日曜日

小鹿田焼きの里

 九州北部の集中豪雨による被害に心が痛む。あんな巨木が根っこごと流されてくるというのはどれだけの雨が降ったのか異常気象という言葉だけでは片付けられない気がしている。
 そんな被害状況の報道の中で気になっている地区があった。大分県日田市皿山地区。
 私の好きな「小鹿田焼き」の里である。
 山奥の谷あいの地であり、ニュース等で見る河川の氾濫を見るにつけ無事では済まないのでは、と思っていたが22日の「赤旗」の記事で深刻な被害状況が判った。
 川から水を引きその水力を利用して陶土を砕く「唐臼」が何基も流失や破損したらしい。
 
 この皿山地区の小鹿田焼きを実際に見たくて15~6年前に日田観光の折に訪れた。昔から10軒の窯元が一子相伝で焼き続けてきた。
 ゴトンゴトンと時を忘れたかのような緩やかさで砕き続ける唐臼の音は小鹿田焼きの「あたたかさ」を体現しているかのようだった。
 そんな地区を襲った樹木の多くは所謂「日田美林」なのだろうか?日田に向かう列車の車窓から見た「日田美林」の緑が思いだされる。
 新聞記事には地区の人々が「人手が欲しい。ボランティアの方に早く来ていただければ」と訴えておられる。
 遠く離れた年寄りの身としては義援金に応じるぐらいしか出来ることはないが一日も早い窯の再開を願っている。

2017年7月14日金曜日

ベニスの商人的発想で!

 
 関西電力が電気料金の値下げをすると発表した。
 記者会見や公式通知では「平素は、弊社事業に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。弊社はこのたび、高浜発電所3、4号機の本格運転の再開を受け、平成29年8月1日から、関西のすべてのお客さまの電気料金を、平均4.29%値下げすることといたしました。あらためまして、高浜発電所3、4号機の運転再開にあたりましては、これまで一方ならぬご理解やご支援を賜りました皆さまに、心より厚く御礼申し上げます。今回の電気料金の値下げは、2度の値上げによりご迷惑をおかけしたお客さまに、高浜発電所3、4号機の運転再開による火力燃料費等の削減分と、経営効率化の深掘りの成果等を、ご使用量が多くなる夏場に向けて、出来るだけ早くお返しすべく実施いたします。」としている。
 
 世間一般的には料金値下げを歓迎する声もあるかもしれないが私はちょっと待ってくれと言いたい。
 そもそも2年前、高浜原発の運転停止の判決を受けて関電は火力発電用燃料費の増加を理由に電気料金の値上げを行った。その時の私の実感は原発停止だからと値上げにも寛容だったと思う。
 というよりも全国の原発が止まり、未曾有の電力不足になる、国民全体が節電に励むべし、との大号令がかかっていたのだが、本当はそんなに節電をした実感はなかった。むしろ国民全体が原発なしでもやっていけるんだ、と自信を付けたと思う。
 確かに火力発電が増えたことは事実だろうが、再生可能エネルギーの開発を怠り、原発停止の仕返しの如く火力発電の増強、よって料金の値上げ、という無理やりのソロバンをはじいただけだ。

 そして2年後の今年、高浜原発2号機、3号機の再稼働を認める判決が出た途端、冒頭の声明を出し、おためごかしの料金引き下げを打ち出した。
 私は再度「ちょっと待ってくれ」と言いたい。
「3,4号機の運転再開にあたりましては、これまで方ならぬご理解やご支援を賜りました皆様に、」とし、「2度の値上げによりご迷惑をおかけしたお客様に」と勝手に理由づけしているが私は「ご理解もご支援もしていない」し、「(原発停止による)値上げによる御迷惑」を受けた覚えもない、あくまで、「原発停止で値上げもやむなし、今の生活で電力も足りている」「電気料金はこのままでいいから高浜原発の再稼働はしていらん」と思っているのだ。

 いま私は「原発再稼働しましたからとの理由での値下げには同意しないので値下げ分は返納したい、だから原発稼働分の電気は要らないのでその分だけ電気を止めて頂きたい」と訴えたいと夢想している。
 ちょっと「ベニスの商人」的発想で気に入っている。

2017年7月2日日曜日

子どもが心配


 テレビのワイドショーで連日映し出される自民党女性議員の絶叫場面を見る度、はじめは「何だこの議員は!」と怒りを覚えていたがそのうち段々と可哀想で心配になってきた。
 議員ではない。この議員の家族である。幼い子どもさんが2人いるという。家族の手で過激化する報道からは隔離されているとは思うが異変は感じているのではないだろうか。
 本人はマスコミから逃れるためか「入院中」というし、また自民党内にも暴言を浴びた秘書に問題がある、等と庇う人たちがいてそれがまたマスコミ報道を加熱化させている。
 
 私は思う、この際、早く議員辞職をして加熱化するマスコミ報道から家族、特に子どもを守るべきだと。こんな事を云うと「議員辞職して済む問題ではない」「任命した(首相にも)責任がある」という声が出るだろうし、何かマスコミが悪いように聞こえるかもしれない。
 がこの騒動(元秘書が警察に相談している段階なので)の中で悪いのは議員本人であることは間違いないが、本人を庇うと見せて内閣が受けるダメージをいかに少なくするか、と悪あがきしている官邸サイドが一番悪いと思う。
 家族、特に子どもに罪はない、マスコミもそこのところを考えて暴言テープをダラダラと放送するより、稲田大臣や下村大臣の悪行を徹底追及したらどうなんだ、と思う。