10年程前に私が京都百万遍の知恩寺の手作り市にはまり、通っていたが次第に嫁はんと従妹が取って代わり、それが最近は岡崎公園内の「平安楽市」も覗くようになった。ここは、知恩寺に比べ場所も広く歩きやすいのでお気に入りのようだ。
毎月の第2土曜日に開催されるとの事で、写真の杯の作者にも会いたくなって私一人で出かけた。暑いくらいの陽ざしの中、京阪三条から約20分ほど歩いて会場にたどり着いた。
事前にプリントアウトした出展店舗の地図を頼りに「yuragi]という店を探した。店はすぐ見つかったが人気があるようでお客が途切れない。やっとテントの中に入り作者と話をすることが出来た。嫁はんに聞いていた通り私の質問に対して熱く語り始めた。作者本人が話の途中で何回も「しゃべり過ぎ、と云われてます」と挟むとおりこちらが気兼ねするくらい、熱く説明してくれた。
私の質問はひとつ、写真では解りにくいが天井のシーリングライトがまるで月のように杯の中に映るのである。それも底ではなく浮いて映るのである。最初に見た時は衝撃であった。「意図して作ったのか、どうか」説明を受けたはずの嫁はんにしつこく訊いても「どうやったかな~」と心許ない。そこで出掛けて訊いてみた訳である。
作者曰く「最初は偶然でした」という事だが、途中から意図して作るようになったという事だ。その過程は秘密かなと思ったが、割とあっさり明かしてくれた。外も内側も削るのだそうだ。特に内側は自作した金属のカンナで削るのだそうでその角度が重要なんだそうだ。
そんな話をしている間も客が来て、ついに私の方から「また来月来るから」と店を離れた。会場の中には「段ボールで作るジオラマ」の店や、手作りのケーキやクッキーの店も並び半日ほど遊んで会場を後にした。
帰り道は堀川端に出て三条から阪急河原町まで高瀬川沿いの名残の桜を見ながら歩いた。
『月の盃』というと月齢5日ぐらいの月を盃に見立てたことをいうようですが、月を玉杯に受けて呑み込むとは雄大。
返信削除時あたかも菜の花が満開。朧月夜に純米酒がよろしかろ。