2015年12月13日日曜日

「オール沖縄」に学ぶ

  W選挙が終わって2週間にもなるというのに未だ、「あーでもない、こーでもない」と気持ちの整理が付かないでいた。気持ちの整理とは勿論、W選挙での反維新側の完敗のことである。W選挙に向けて拙文ながらこのブログに思いを綴ってきた手前、この結果について自分なりの総括をしなければと思いながら延々と思い悩んできた。
 そんな気持ちに追い打ちをかけるようにTVでは「勝って驕らず」顔の、その実内心では「どやどや顔」の二人の動静がひっきりなしに流され、気分の悪いことこの上なしである。
 そんな時、「オール沖縄」のたたかいの報告を聞く機会があった。「基地も戦争もない平和・繁栄をめざして『オール沖縄』から『オール日本』へ」と題した講演というより報告を聞いた。
 そもそも「オール沖縄」の源流は、1995年9月に発生した米軍兵士による少女暴行事件、そしてそれから12年後の「教科書検定」問題ー沖縄戦における集団自決強制自決死を日本軍が強制したとの記述が削除修正されたーに沖縄県民が抗議の大集会(11万6千人参加、この集会の共同代表の一人が当時那覇市長だった翁長さん)を開いたことがきっかけだったことを聞いた。沖縄の基地の現状、米軍基地の形成過程など、その歴史と反対闘争の中で「オール沖縄」が形成されていったという事だった。
 報告が終わり質問タイムの最後に私は少々ぶしつけではあったが「今度の大阪のW選挙、我々はオール沖縄のたたかいに学び、オール大阪で闘ったつもりでしたが結果は完敗でした。(共闘の先輩として)どのように見ておられますか」と聞いてみた。
 答えは「反維新の結集がどのようなものであったか良く分からないのでお答えは難しいですが、オール沖縄のことで言えば、実は一番ピッタリと繋がっていたのが自民党と共産党でした。(あらゆる場面で)自民党を隠す必要もない、(当然共産党をも)という状態でした。大阪での反維新、オール大阪がどの様なものであったか分かりませんが一つ言えることは『要求で統一する』という事だろうと思います」というお答えだった。
 私は「大阪都構想」の住民投票の結果を受けて「オール大阪」でいける、勝ち負けは別としてたたかいの基本はそこにあると思っていた。自民党候補をなぜ支援するのか、という根強い反発と感情は終始付きまとってはいたが維新政治を終わらせるんだ!というアピールでいけると思っていた。しかし結果は完敗であった。
 W選挙後のマスコミ報道の中で、維新候補の勝因や反維新候補の敗因が色々書かれている。直前の自民党大阪府連会長の更迭、公明党のあいまいな態度、後で分かった事だが自民党の選対会議の当日、幹部役員が欠席しゴルフに行っていた事など、およそ「オール大阪」とは言えない状況であった事がわかってきた。しかしこれらが敗因の全てではないだろう。私は「オール大阪」の方針が間違っていたとは思わない。しかし「反維新」が本当に「オール大阪」に結集した人々が目指した共通の目標だったのか、真剣な総括がいるのではないかと思っている。そんなことを考えながら今日やっとブログを再開することが出来た。「オール沖縄」に感謝したい気持ちでいる。 

5 件のコメント:

  1.  私はオール大阪の負けた原因よりも橋下維新が勝った原因に興味があります。あれだけの嘘、弱者切り捨て、関西財界べったりで不祥事オンパレードの橋下維新が何故支持されたかです。
     私なりの考えは、新自由主義(市場原理主義)というイデオロギーが国民をからめとっていること、それの徹底批判と対案たる福祉社会の展望の提起が弱かったのではないかと思っています。もっと有り体に言えば、公務員攻撃がある種の争点になっているのに、その部分での反撃が決定的に弱かったのではないかと。
     そして、オール大阪側の最大の弱点は、個人個人が活発に議論し総括しないことだと思っています。
     貴方のブログの沖縄の話は参考になります。
     貴方の総括も是非とも開陳してください。

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  2.  ひげ親父さん、12月に入って法務が忙しくなり、貴方の更新記事を見逃していました。
     私も同様に大阪W選結果に衝撃を受け、なかなか回復できなかった手合いです。
     思えば、選挙直前に自民党府連の会長が、市長候補の柳本氏の叔父で、都構想反対の住民投票運動を率いていた柳本議員から、突如、共産党との共闘に反感を持つ中山議員に替ったことが、今回の結果に至るターニングポイントだったように思います。府連会長という個人の力で結果が左右されるほどこちらの組織が脆弱だったとは思いませんが、少なくとも共闘への意欲にブレーキがかけられたことは否定できないでしょう。
     自民府連会長の交替にも、密かに大阪維新との連携を目論む官邸筋の意向が働いたのではと思ってしまいます。
     そんな私のネガティブな気分にもかかわらず、国民連合構想や、沖縄・熊本などでの参院選の統一候補の擁立が前進しています。気を取り直して頑張るばかりです。

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  3. 和道さん、お忙しい中ブログを覗いていただき有難うございます。私もブログを更新しながら未だ迷っています。でも、昨日「オール沖縄会議」が結成され、熊本県ではオール野党の統一候補が決まりそうだという報道もありました。めげず、臆せず進もうと思っています。

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  4. 大阪のW選挙本当に残念でした。予想以上の大差がつきひげ親父さんがブログを更新できなかったことが、1/100程度ですが分ります。維新が大勝して安倍晋三は良くやったとは言えませんが、内心味方を得たと心強く思っていると思います。大阪と言えば、東京と並ぶ日本の顔です。憲法が危うい今の時期です。私の大先輩で私の大阪での恩人は「何が悲しゅうて・・・」を良く言われておられました。オール大阪を言うんであれば、黒田了一さんに1/100近い立派な方が出られれば、結果はどうあれ、日本の誇り「平和憲法」を守ることの大切さを世界に示すことが出来、安倍内閣への反撃ののろしになったと思います。大阪府民は今度のW選挙本当に投票に迷ったと思います。

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  5.  W選挙の半年前には住民投票の熾烈な闘いがありました。それはオール大阪のW選挙と基本的には同じ体制でした。だから私は今回のオール大阪の選択は間違っていなかったと考えています。
     そして大阪の特殊性のようなことはいっぱいありますが、それよりも、どこの府県でも橋下のような扇動者が暴言・放言をまき散らして、地方公務員やその労組を徹底していじめる図に市民が溜飲を下げる「劇場」が生まれ出ることを示したと思っています。その危険性を感じないのは良くありません。
     民主的な人々の中でも、そこのところの分析が徹底的に弱いように思います。
     議論の停止、思考停止していては反撃できません。

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