昨日から万博パビリオンで「時代が求めた!1970デザイン展」という催しが始まったので見に行った。大阪モノレールの車内広告で惹かれたのが「~アイビーからスペースエイジまで」というコピーだった。
アイビー、懐かしい言葉であると同時に、私の心と体の何処かに今も在り続けるスタイルである。1960年代後半から1970年代の高度成長期を若者として過ごした私のマイブームだったのである。
会場に入ってまず私の目を引いたのは「VAN」のコーナーであった。日本にまだ若者のためのフアッションというものがなかった時代、石津謙介氏が起こした「VAN」(大阪ミナミに本社があった)は単に服飾品というジャンルだけでなく、若者の生活スタイル全般を革命するものだった。
アメリカ東海岸の名門私立大学-アイビーリーグの若者たちが身に付けた、ボタンダウンのシャツ、コットンパンツ、三つ釦のブレザースーツ、という
アイビールックを日本の若者たちに提案したのが石津だった。
ケネディーライシャワー路線の影響で、アメリカに憧れていた私は、このアイビーに飛びついた。少ない給料の中から、ボタンダウンのシャツやコットンパンツを買った。
写真の靴「コインローファー」別名「ペニーローファー」の名の由来は、靴の甲の部分に細い切れ目があり、ここにペニー(1セント硬貨)を挟み込むのがカッコいいファッションだったが高くて買えなかった。それでも三つ釦のブレザー(これも高くて、ナンバの三信衣料という安物屋で買った)を着込み、小脇に平凡パンチを挟み、東京のアイビー小僧を真似たものである。
会場には私と同年配の人は少なく、展示してあるパナソニックの家具調カラーテレビを見て、「何でこんなにバカでかいの?」と漏らす若者がいた。70年代から早や半世紀近く、若者にとってこの時代の隔世感は途方もなく過去のものだろう、昭和は遠くなりにけり、なんて言われ、煙たがられているのだろうか。
友人のブログで「終活」の話からコレにまつわるブームの在り様についてコメントがあるが、儲けのために起こすブームと人々の中から沸き起こるブーム、いわば「ムーブメント(社会運動)」と云われるものがあると思うのだが、昭和という時代の中で、「アイビールック」-ファッションであり、トラディショナル-伝統を重んじる、という生き方にこだわった石津氏のスタイルに触れた事は今も私の中で生きているように思う。
あの時代の貴方やI氏のアイビールックはお見事でした。
返信削除ただ、私は飛びつきませんでしたが、今から振り返ると少し長髪にしたりして、広い意味では時代のファッションに大いに影響を受けています。
「想い出のメロディー」ではありませんが、青春時代とクロスする想い出は文句なしに懐かしい。
先日、愛媛県大洲市のレトロな町並みを散策してきました。その中にポコペン横丁と言う場所がありました。その奥に「思ひ出倉庫」(入場料200円)があり、大正~昭和のおもちゃや看板などがいっぱい並べてありました。「VAN」や「JUN」もありました。
返信削除ひげ親父さんのコラムを見て「思ひ出倉庫」を想い出しました。私もアイビーやトラッドに憧れましたが、様になりませんでした。私の若い時の写真を見て嫁さん曰く、「社会の教科書で習ったピテカントロプスに似ちゅう!」少し納得しました。
大洲にもそんな所があるのですか、豊後高田は有名ですがまだ行ったことがありません。阿倍野の昭和町あたりで少し気分を味わっています。
返信削除いや、バラやんのジャンパー姿、様になってましたよ。
現在我家の上空を台風19号通過中、雨風なし青空が広がっています。感動です。たくさんの人が外に出て散歩を楽しんでいます。 2014年10月13日午後4時20分
返信削除先日、ひげ親父さんが「台風の目を見た!」と書いておられましたが、全くその通りの実況中継ですね。
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