去年に続き今年も「日本高齢者大会」に参加してきた。第28回目を迎える今回は、富山での開催であり、参加費用の関係で退職者の会からは一人の派遣となった。
閉会式での主催者発表では2日間で5,200人の参加者となったが1日目の分科会など、どの会場もいっぱいの参加者で高齢者パワーに圧倒された。
私はこの9月で68歳になったが見渡す限り、どなたも年上の方ばかりである。昨年の大会挨拶で共産党の佐々木憲昭さんが「いま日本で一番パワーがあるのが高齢者団体です」と云ったことが思い出される。
一日目の分科会で私は経済学者の山家悠紀夫さんの「アベノミクスと庶民の暮らし」を選んだ。たった5人の女性閣僚を任命しただけで支持率が上がる安倍首相の基本政策「アベノミクス」をもう一度しっかり捉えたいと思ったからだ。最近TVではあまり見かけなくなった山家さん、あらためてアベノミクスの「三本の矢」が庶民の暮らしに射込まれた毒矢である事を明らかにされた。「良くなっているのは株価だけ、それも去年の5月まで」「下降傾向にある株価と景気を下げないためにカンフル注射(公共事業)を打ち続けなければならなくなっている」と語り口は柔らかだがその指摘は苛烈で的確だった。
また、安倍首相が言った「岩盤規制を私のドリルで壊す」とは、これまで国民と労働者を守ってきた法律・規制を悪者扱いし「世界で一番企業が活動しやすい国に」するための言葉だったと指摘、日本経済再生のカギは「暮らしの改善」で、消費税の10%増税は以てのほか、賃金を上げるため労組の頑張りと、規制を強める(国民と労働者を守る)社会保障をよくするなど、当面の取り組みを提起された。
二日目の全体会での記念講演は「世界が100人の村だったら」の池田香代子さん。事前の講演内容とは違った話から始まったが、解釈改憲の事に及んで「言葉の言い換えとペテンによって戦争準備が着々と進んでいる」と、また先ごろ開かれた学術会議のテーマが「日本の若者はなぜ人を殺さないのか」という内容で、世界的に見て少年犯罪の低さは特異的である事、国が戦争をすると暴力にうったえる風潮が社会に広がり、犯罪が増えるのだそうで70年近く戦争をしなかった事がこういう数字、結果に繋がっている、という見方は新鮮だった。
大会最後は地元八尾高校の伝統芸能部の若者による「越中おわら節」の演奏と踊りで舞台から会場に降りての輪踊りは、まさに高齢者と若者の共同の場となった。真剣に踊る若者を見ていたら何故か目頭が熱くなった。今回の大会、富山大学での会場案内のボランティアの皆さんや踊ってくれた高校生のお蔭で心に残る大会になった。来年は大阪からも近い和歌山に決まり「つれもて来てよ!」とアピールがあった。
「国が戦争をすると若者の犯罪率が上がる」は初めて聞いた言葉ですが、非常に納得できます。「第二次世界大戦以降69年間戦争をしなかった先進国は日本だけ」「その原因は憲法9条があったから」・・・ほんとうに噛みしめなければならない真実です。
返信削除テレビで芸人がコメンテーターですと席に座り「アベノミクス頑張れ」みたいな発言を繰り返していますが、ほんとうに国家とはどうあるべきか、経済はどうあるべきか、労働政策や福祉政策はどうあるべきかを我々は大きな声で語る必要があるように思います。
「ご苦労様でした。」昨日の新聞に長生きパワーで戦争しない国にの見出しで大きく報道されていました。
返信削除「国が戦争すると若者の犯罪が増える」は本当だと思います。何年か前に米軍の新兵への教育は「人間性の否定から始める」理由は、戦場で人を殺したり、傷つけたりする事に躊躇すると自分が殺られてしまうから。というのを何かで読みました。同盟国の日本(特に沖縄)での米軍の犯罪が多発するのもこのような教育を受けたせいだと考えています。
戦前、戦中の日本でも、戦争相手国を鬼畜米英と言って人間扱いをしない教育を徹底したのも同じ理由からだと思います。
土産話を楽しみにしてます。
皆さん、コメント有難うございます。池田さんの話(福島原発事故や高齢者の果たす役割など)は、よくよく理解しないと、とんでもない話になってしまいますので、今メモをまとめておるところです。戦争しない国と犯罪発生率の話はとても分かりやすかったので記載しました。
返信削除chinunoumiさんのコメントにも同意、同意。
返信削除同時に、私は、世論の対決点は経済だという気もしています。
少なくない人々が、アベノミクスにいろいろ問題はあるが、雇用が増え賃金が上がればいいじゃないかという幻想を抱いているように思います。
アベノミクスでは雇用も増えないし実質賃金も上がらない。
多国籍企業となった日本の大企業を優遇しても国内経済は循環しない。
EUやアメリカのように大市場と直結しているところと日本の経済を混同するのは良くない。
あれほど韓国経済は素晴らしい、TPPを早期締結しないと韓国に離される、と言っていた韓国経済が行き詰まり、その轍を踏もうとしているではないか・・・等々、もっともっと経済を勉強して、「庶民の生活を豊かにすることこそが雇用も経済も立て直すのだ」という声を広げなければならないと考えているところです。