嫁はんが旅行に行くので超早めの朝食を相伴している時、手にした「毎日」の記事に釘づけになった。”消える「平和憲法号」-「意見広告だ」批判受け”という見出しで「土佐電気鉄道(高知市)は、5月3日の憲法記念日に合わせて毎年走らせてきた路面電車「平和憲法号」「憲法9条号」の運行を今年から中止することを決めた。市民団体の負担で車体に「守ろう9条・25条を!!」などのメッセージが描かれ、護憲を訴えてきたが、乗客から抗議を受けて中止を決めた、という記事である。護憲を願う市民団体が2006年から高知市などで5月3日を中心に約4か月間の期間、運行してきた。費用は街頭募金やカンパで賄っているという。ところが、「昨年5月に乗客らから『憲法を守ろう』という広告は意見広告ではないか」との抗議が電話やメールで数件ずつ寄せられ、社内で対応を協議した結果「意見広告は内規で禁じている、『平和憲法号』なども世論が変われば意見広告と取られることもあり、政治的な問題になってしまったので中止する」と市民団体に通知をしたという事である。
土佐電鉄の内部で、どんな議論がなされたのは分からないが、しかし、「守ろう9条・25条を」を意見広告だと認めてしまえば、たとえばいま問題になっている「ヘイトスピーチ」を車体にラッピングしてくれなどと、乗客らから云われたら断れないのでは、と云う位の議論(?)は、なされたのかもしれない。
意見広告とは「個人や団体・企業などが政治問題や社会問題などについて、自らの意見や主張を表明する目的で作成した広告である」という事のようであるが、「憲法を守ろう」というのは、いろいろある意見の一つではない! 尊い幾百万の命に代えて手にした、日本国民が守るべき「意見」である。ちょこっと解釈を替えたぐらいで替えてはならない「宝物の意見」なのだと思う。
ちなみに、大阪モノレールでは、意見広告ではないが、関西馴染の企業の派手なラッピング電車が走っている。真っ赤な車体にデッカイ餃子のラッピングは強烈なインパクトで、避けようもなく食欲中枢を刺激しながら目の前を走っている。意見広告以上の効果絶大である。
この問題の本質は意見広告とみる基準のあれこれではなく、戦後68年の歴史の中で、再びあれを言ってはダメ、これを言ってはダメというタブーが強力に復活してきていることでしょう。つまり、意見の要素があるからダメなのではなく、憲法改正を唱える安倍晋三内閣にとって目障りだから規制するということです。
返信削除こういう一つ一つの事実をブログに載せて警鐘を打たれる姿勢に敬意を表します。
コメント遅くなってごめんなさい。高知市の電車の広告はずっと昔からやっていました。1か月30万円しますが、宣伝効果は大です。日本の最高法規である「憲法」を人目に出したら中立ではない。はおかいいと思います。
返信削除本拠地からのコメント有難う、「憲法9条をノーベル平和賞に」という行動も一人の発想からとか、草の根の運動を絶やさないようがんばろう。
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