大阪に上野修三さんという料理人がいる。大阪料理の大御所、今は引退されているが「浪速割烹」というジャンルを作った方で、27日付の大阪民主新報で「なにわの食」について語っておられる。上野さんはなにわ料理にこだわり、一代で「浪速割烹芔川」を大阪の名店にした。とここまでは記事の受け売りである。勿論、年金暮らしの年寄りには法善寺横丁の店に行ったこともないし、その味がどんなものかも知らないが、上野さんは「東京に店を出せとか、京都や横浜に来ないかという人もいたけど、大阪を離れる気はありませんでした。」「大阪で食べてこそ大阪料理」と言い切る。また、最近の食をめぐって遺伝子操作をした食品やTPPについても「世界中金儲けしか考えてないのは問題でっせ」と苦言を呈している。
話は横道にそれるが、ここのところ世間を騒がせている「偽装メニュー」問題である。当初「偽装ではなく誤表示だ」と言い訳をしていたが一転、「偽装と受け取られても仕方がない」と謝罪した。私は当初から「芝エビかバナベイエビか」を解釈の問題であるかのように説明している経営者たちを見ていて「あーこの人たちは現場を知らんなー」と思っていた。果たして辞任するこの社長は、合併する前の電鉄会社出身の人だった。バナベイエビが偽物という訳ではないのに表示を芝エビと書く行為自体が問題なのだ。利益追求だけで経営を考えるとこういうことになる。「畑違いのもんに現場が分かるはずがない」「餅は餅屋じゃ」と声高に言うつもりはないが、同じようなことがつい最近もあった。例の公募校長のセクハラ事件である。
橋下市長の肝いりで民間からやる気のある人材を、と公募し校長や区長に就かせたが半数以上が問題発言やセクハラ等の不祥事を起こしている。校長という職務が橋下市長の言うような「権利に守られた教職員組合の校長ども」に勤まる職務だろうか。新米教師から子供たちと触れ合い、地域や父兄とも意見交換し、様々な経験を積んで就く要職だと思う。電鉄会社で実績を積んだから、異業種で成功したから、というだけで、それも期間限定で就くような仕事ではないはずだ。
上野さんが作る浪速料理のような「ほんまもん」が一朝一夕で、出来上がるものでないことは誰もが分かっているはずだが。
11月1日今日の○○新聞の「出放題」と言うとても現代を風刺したコラム記事があります。あまり、面白かったから投稿させていただきます。
返信削除題名は「メニュー偽装」・・・「秘密保護ならいいの」ー阪急阪神ー宛先「永田町霞が関殿」 ひげ親父さんの言われる通り「ほんまもん」が一朝一石で出来上がるものではありません。
教育、医療、金融、司法、行政などの社会的共通資本は、市場的な条件に左右されることなく、職業的専門家によって、専門的知見に基づき、職業的規範に従って管理・維持されなければならない・・と宇沢弘文著「社会的共通資本」にあります。
返信削除橋下氏や安倍氏のように、狂信的に民間つまり利潤の追求にのみ価値を認める市場原理主義者の蛮行が横行する今日、「餅は餅屋」の持つ積極面を自信をもって提起していいように思います。