2012年8月1日水曜日

竹コプターの方が安全

 「オスプレィ」いま問題になっている飛行機である。オスプレィの意味は猛禽類のタカの仲間の「ミサゴ」の事だそうだ。でもパイロット仲間内では「未亡人製造機」と呼ばれている、それほど危険な飛行機である。この事で、ある本を思いだした。「世界の駄っ作機」という本で、元は「世界の傑作機」という本を茶化した本であるがマニアに受けて続編も多数出ている面白い本である。で、この本の中に「オスプレィ」のご先祖の様な飛行機がある。写真の「XYF-1」という飛行機である。写真で見る限りご先祖様とは言えないのだが、その設計思想が同じなのだ。
コンベアXYF-1
当時のアメリカ空軍の要求は「垂直に離着陸し、高速で移動出来る機体」という事であった。現在の「オスプレィ」は、今普天間基地に配属されている大型ヘリコプターの数倍の航続距離、つまり高速での移動、短時間での作戦行動が可能、という性能である事を設計理念に生かされて開発された機体なのだ。写真の試作機(試作機は機体番号の前にXがつく)は結局、軍の要求を満たさず、試作で終わり、「駄っ作機」の仲間入りをしたが、「オスプレィ」は事故を繰り返しながらも、軍需産業側の強い要請で、正式採用され、いま、普天間に配属されようとしているが、危険な機体であることに変わりはない。なぜ危険なのか?テレビで解説されているが「空モノ好き」の私がもっと分かりやすく解説する。まず、「竹トンボ」が飛ぶ姿を頭に思い起こして下さい。勢いよく両手で軸をこすり回し、羽根を回転させることにより空に飛んで行き、ゆっくり下りてきますね、ここがポイントです。つまり羽根は回転して上昇するが回転力がなくなっても降下の風圧で羽根は回転し、急激に落下することなく、ゆっくり下りてきます。ヘリコプターも同じ原理でローターを回転させる駆動力がなくなっても、つまりエンジンがストップしても竹トンボと同じ原理でローターの回転を維持し、パイロットの操縦で墜落する危険を回避しうると云う事です。「オスプレィ」はこの操縦が出来ないと云われている。ヘリコプターの様に上昇した後はプロペラを前に倒し、高速で飛行する。この機能を最優先する設計がなされたため、上昇し飛行に移る、飛行から着陸のため降下する際の複雑な操縦はコンピューターで制御されるが、一旦エンジントラブルでプロペラが止まってしまうと竹トンボや、ヘリコプターの様な自由回転が出来ず、急激に墜落してしまうと云う事です。それからもう一点、テレビ等ではあまり触れられていませんが、写真で見るように、「オスプレィ」のプロペラは非常に巨大で飛行機の様に前に倒したままでは、離着陸できません。地面に接触してしまうからです。空母や狭い場所から飛び立ち、高速で飛行する、この条件を無理やり備えるために作られた機体、いずれ、「世界の駄っ作機」の仲間入りをするでしょうが、これ以上の犠牲者が出てからでは遅い、防衛大臣や、首相までもが「安全性を身を持って経験する」ためにと、試乗計画まであるらしいが、「カイワレ大根」事件ではあるまいし、まったくもって国民をバカにした「お人たち」ではなかろうか!

10 件のコメント:

  1. 私の手元に1967年世界航空機年鑑という本があります。その中のアメリカの項にLTV/ヒラー/ライアンXC-142Aという航空機がありました。翼を上向き変向し垂直に離着陸する輸送機で34人の乗員、兵員を乗せる等いまのオスプレイとほとんど同じ発想の機体です。これは4発のエンジンを持っていました。初飛行は1964.9で今から48年前です。当時米軍は5機を発注しきわめて好調に試験飛行をしていると記載されています。同じく米軍は同じ発想でベルX-22という垂直離着陸輸送機も2機を発注しています。がこちらはすでに当時1機が不時着破壊したと書かれています。
    1970年の同じ航空機年鑑ではこのXC-142A5機はこの間の試験飛行で2機は事故で破壊、1機は67年5月に墜落炎上してしまった。米軍は手放してNASAに試験飛行を継続させていると書かれています。ベルX-22は消えています。
    1988年の年鑑ではベル社とボーイング社の共同開発で計画中のオスプレイの記載があり
    1992年の年鑑では1989年初飛行1991年に初墜落事故を起こしていると書かれています。ド素人の私でも翼を垂直にしたり水平にしたりして垂直離着陸する危うさはこんな歴史からでも感じられます。(写真を投稿できれば良いのですが・・・)

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  2. 追記と訂正。オスプレイは固定翼でエンジン部分を変向させる事で垂直離着陸と水平飛行します。

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  3. !ブログの本文とスノウさんのコメントで非常に理解が深まります。
     アメリカの軍事利権共同体の巨大さは例の原発利権共同体を凌駕するものですからこんな欠陥商品でも配備するのでしょう。
     そして、非白人地域たる日本(沖縄)に対する驚くほどの蔑視・差別感が前提にされていると、堤未果氏の本などを読むと感じます。
     和道おっさんのブログに「女子ソフト世界一」を報じなかったマスメディアのことがありましたが、眼が曇らないようにするには具体的な勉強が大切です。

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  4. スノウさん、有難うございます。XC-142の詳しい事は知りませんでした。写真(wikipedia)で見る限り、飛行機状態での離着陸も可能だったようですね。開発の主力はチャンス・ヴォード社で、この会社は超有名な飛行機も作りますが、謂うところの「駄っ作機」メーカーでも有名な会社で、マニアにとってはたまらない会社です。

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  5. コメントの続き。前述の年鑑から88年版のオスプレイはヘリコプターの2倍の速度と航続距離、積載量、高々度への上昇速度の速さで計画段階で軍用型1,213機の生産。大統領専用機はじめカナダへの輸出、民間機用の改良型も計画されて、日本は当時から川崎重工、富士重工が国産化に名乗りを上げたと書かれています。
    92年版には軍用型生産総数は657機になりアメリカ運輸省がコミューター機として実用化を促進して需要は500機~700機を予想している。日本も注目されていると書かれています。
    多分にメーカーの宣伝文句臭さが有りますが長谷やんの言われる「軍事利権共同体」は日本の軍事産業もしっかり組んでいますね。日本の政府専用機にして野田や森本が乗り回したらどうかしら。そのうちに・・・・

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  6. !マイヤー元海兵隊大尉は「あまりに危険だから普天間周辺ではヘリコプターモードを禁止すべき」と、しかし飛行機モードならプロペラが滑走路に接触しますね。いやはや。

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  7. !「継続は力」とか申します。そろそろブログを更新されたら如何。
     近松門左衛門あたりを掘り起こしていただければと期待しております。

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  8. オスプレイ あの色と形 映像を見るだけで怖い気がします
    生活圏で飛ぶとなるとどうしたらよいか・・・・・・

    タケコプターといえば 昨年の日光の紅葉狩り いろは坂上る時から大渋滞 やっと着くと日没前 早々と下る事に またまた大大大渋滞 全く動きません
    運転をしてくれている息子も諦め顔・・・タケコプターが有ったらなーと
    皆さん思ったのでは もちのろんろん私も

    こんなのはコメントには成らないかしら? 失礼致しました

    ごめんなさい 難しいお話は苦手で

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  9. 匿名さん、コメント有難う。コメントに何のスタイルも、規格もありません。どんどんお願いします。(返事遅れてすみません。)

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  10. 今気付きました
    八番目のコメント私でした 匿名になっていました
    慣れていなくて失礼しました 練習しなっくっちゃ

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