2011年2月18日金曜日

 京都で開催中の「筆墨精神」-中国書画の世界-を鑑賞。朝日新聞社創業者の一人、上野理一の収集品を親族が京都国立博物館に寄贈、その50周年を記念しての開催とある。中国文人の芸術観に依拠した系統的な収集品であるとの事。
 今回の目玉は書聖-王羲之の草書の「宋拓十七帖」というものらしいが凡人には、その凄さは判らない。もともと王羲之の真筆はこの世には存在しない。時の皇帝が王羲之の書を愛するが故に独り占めし、有名な「蘭亭序」とともに自らの墓に副葬してしまったと云われている。
 この話、最近テレビで見た京都の書店の主の話、本マニアにはタイプというかランクがあって本のために家を一軒借りてしまうような人、その上が「書痴」といわれる人で、世の中に3冊しかない本があると、それを買占め2冊は破り捨てるという話と似ているような気がした。
 台湾の故宮博物館でも有名な書には乾隆帝の篆刻が所構わず押してあり、権力者の独占欲の深さに驚かされた。
 余談、今日の「毎日」に有馬頼底さんが揮毫料5年分、2億円申告漏れを指摘されたとある。掛け軸1点5万円が業者相場らしいが5年間とはいえ、よくも書きまくったものだ。合掌、いや拍手、国税局に!

1 件のコメント:

  1. 篆刻をされているヒゲ親父殿らしいブログ。私は昨年「冷泉家の書」の展覧会に行きましたが、現在夫婦の記憶に残っているのは「乞巧奠(きっこうでん)」のジオラマだけ。悪筆プラス教養の低さを思い知ってこの筆墨の展覧会はパスしました。

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