今回、弘法市で買ったものは、はじめ水滴かと思って手にとってみたが穴がなく、ムクの陶器で割と目方もある。店主が「それはスンコロクといってタイの陶器です」と云う。面白い名前と可愛い形(タテヨコ4㎝ほど)なので2個あったものを2,000円で買い求めた。
調べて見るとタイ国で14世紀以降に焼かれた陶器で名勝地スコータイ県のサワンカローク地方で焼かれた陶器とある。日本には慶長年間南蛮貿易で渡来し、茶人が茶器として用いられた。面白い名前は「サワンカローク」の音読みだといわれているが「宋胡録」と表記されている。その形は小さく蓋が付いているところから日本では香合などに用いられ、今も茶人や愛好家の間では垂涎の的になっているらしい。(ただしこの点は日本でスンコロクを造っている方の話なので控えめに見た方が)今回の物は、親鳥の背中に子が乗っているというもので、香合でもないしはたして本物なのかどうかは判らない。いずれにしても本物ならば、この値段では手に入らないものであることは確かなようだ。酉年ではないが正月の床飾りの脇に置くつもりで気にいっている。
これは誰が何の目的で造ったものですか。器でないなら文鎮ですか、飾り物ですか、何かのつまみですか、それとも贋物造りを目的として造ったものですか。と、まあ、こういう話が出来るだけでも2000円は十分取り返しましたね。
返信削除それに、台所の壷を花入れにしたり、楊枝容れをぐい呑みにして「どうだ」というのは愉快です。
ヨーロッパや中国、朝鮮の完全な陶磁器よりも常に不完全な陶器を好んできた日本人というのは、大陸に比べると桁違いに平和な歴史を送ってきたのに、桁違いのひねくれ者ですね。