2019年10月17日木曜日

治水を忘れた政治


 衝撃的な写真である。北陸新幹線の車両が茶色い泥水に沈んでいる。
 台風19号の記録的大雨の影響で千曲川の堤防が決壊し長野市のJR東日本の「長野新幹線車両センター」を泥水が襲い10編成、120両の新幹線が水没したのである。
 濁流渦巻く河川や流される家など台風による水害の光景はこれまでにも何度も見てきたし、いくらかの経験もある。しかしこの写真は何とも言い様がない衝撃を私に与えた。
 整然と並んだ美しい彩色の北陸新幹線であるが故に水没しているニュース映像は悲しいまでに美しかった。

それにしても日本の一級河川が記録的大雨とはいえこうも易々と決壊してしまうものだろうか。

 昔、領地を治める殿さまの一番の仕事は水を治め、水を利することだったといわれている。農耕の国であった日本にとって治水は治世の要諦であった。
 翻って今の殿様はどうだろうか、農の国を捨てたかのような日米貿易協定でアメリカに屈服し挙句に高い戦闘機を100機も爆買いさせられている。これだけのお金を河川の改修などに回すべきではないのか。
 
  自然災害だから、とは言わせない。

2019年10月11日金曜日

森友問題を終わらせない!



 昨晩、「森友学園問題」を考える会が近畿財務局が入る大阪の第四合庁前で宣伝行動をした。今回は会の要請に応え、近畿財務局OBも6人参加し、これまで国公大阪退職連として近畿財務局OB有志を支援してきた経過もあり夕方5時半からという時間帯だったが会長以下3人が参加した。

 当日は、これまで「森友学園問題」を追求してきた木村真豊中市議が提訴している所謂「契約書黒塗り国賠訴訟」の控訴審裁判があり、その流れの中で合庁前宣伝が行われた。
 今回も傍聴は出来なかったので報告集会に参加したが集会で木村市議の口から出たのは「今日で結審となりました。」「1217日に判決となりますが多分一審支持の判決となるでしょう」という残念な報告だった。その後で、大川主任弁護士も「まあ、こんなもんでしょう、最近の控訴審では「1回結審」が原則のような実態なので、こういう進行もあるとは思っていたが」と述べた。

以下、大川弁護士のブログから。

私が、控訴理由書の要旨を口頭で述べる。
そのポイントは、

 森友学園は「非公開」を望んでいないこと、

 森友学園が望んでいないのに、勝手に非公開にするのは、全て開示すると「8億円値引き」の根拠が無いことが判明し、つまるところ、「非公開」は近畿財務局のためのものであることが本件事件の本質であると述べ、くれぐれも、情報公開法の解釈論に矮小化しないように口頭で訴えた。

(しかし裁判所は後述の通り、この訴えを聞かない)

そして控訴人は、4人(籠池氏、池田氏、キアラ設計者、元森友代理人弁護士)の証人申請を行った。 
さてここからである。
 裁判所は被控訴人に「原審準備書面で「森友学園が要請があったと主張しているわけではない」と述べてる意味は?」と聞く。

 被控訴人は「非公開の根拠ではない、という意味です」と答える。
 裁判所は「原審で池田陳述書が出ており、そこでは、森友学園の要請があったと出ているが」と聞く。
 被控訴人は「そのやり取りは、不開示決定のやり取りではない」と答える。
 さらに証人について、被控訴人は不要とするのであるが、池田証人は今も出廷は難しいと述べる。

 以上を受けて、裁判所は、「本件は情報公開法の例外に当たるかどうかが争点」と述べて、従って、証人は必要ないので却下すると述べた。(このとき木村市議から声が上がった。「ごみのことは原判決にも書いている争点でないか!」)
 裁判所はさらに、「これで弁論終結します。判断するのに熟している」と述べた。(このとき木村市議は「まだ10分しか経ってないのに何故熟しているのか」!)
 そして裁判所は、次回判決は1217日午後115分と告げてこの日の裁判は終えた。
 まあ、これが、安倍政権下の今の裁判である。
 たった1回の公判で、判決が書けるのか、というのが素人の私の感想だが、以前のブログで書いた様に、不開示を違法ではないとした地下のゴミについて森友学園側が「公にされたら困るから」と財務局に泣きついたのならともかく売却したら終わり、のはずの財務局が何故住民感情まで持ち出し、学園側の不利になるからと不開示にするなどというこじ付けまでして判決を下したのか?
 という素朴な疑問に今回の裁判長も応えようとはせず、結審にした。本当に大川弁護士の言うように「これが、安倍政権下の今の裁判である。」なのか? 
 報告集会では傍聴をしてきた宮本岳志前衆議院議員も発言報告をした。「木村さんの裁判の結果は悔しいが森友問題はこれで終わりという事ではない、今も『不動産鑑定評価書』を追求するというたたかいが開始されている」と新たなたたかいの決意を述べみんなを励ました。


 こうした流れの中での合庁前の宣伝行動だったので私は近畿財務局に怒りをぶつけるような宣伝行動になったらまずいな~と思っていたがマイクを握った木村市議や宮本さんのスピーチは「財務局職員の皆さん、森友問題の解明のため力を貸してください」「真面目に仕事をされている皆さんのご苦労に対し、現場に責任をなすりつけ財務省幹部は不起訴となり、責任も取らず栄転までしている、こんな事が許されていいのでしょうか」と非常に抑制のきいたかつ、財務局職員の心に訴える内容だった。
 そして「今日は財務局OBの皆さんも参加していただいています。OBとはいえ、いやOBだからこそ、皆さんに直接訴えるということにためらいもあったと聞いていますが参加を決断していただきました」と参加OBにも配慮するスピーチだった。

 急な呼びかけだったので退職者会の参加も少なかったが「森友問題をおわらせない!」たたかいは続く。

2019年10月2日水曜日

月並みながら秋の味


 いくらか涼しくなったと思ったらここ4~5日、真夏を思わせる照りつけが外出の足を鈍らせる、と言って家にいるのも面白くないので箕面の栗屋さんまで初栗を買いに行った。
 顔なじみのおばさんは「今年は昨日から店を開けましたが後45日したら粒の揃ったのが入りますよってに」と言いつつ、「初物ですから」と選って袋に入れてくれた。
 翌日、栗ご飯にするため嫁はんが鬼皮まできれいに剝ける専用の道具(クリクリ坊主というらしい。)で「これハマる」と嬉しそうに剥いた。
 今年も一粒も虫が入っておらず美味しく栗ご飯が炊き上がった。

 栗ご飯の横のポテトサラダは私の得意料理の一つで、材料はメークインとハムとゆで卵、それをマヨネーズでまとめるというごく基本的で簡単なものである、が、それ以外にベーコン(塩気)とチョリソーソーセージ(ピリ辛)をフライパンで炒め、茹で上がりマッシャ―で潰したポテトに混ぜ込む、量は多くても少なくてもいけない、ころ加減である。
 さらに、そこに粒マスタードとバルサミコ酢を混ぜたものを振りかけ完成である。キュウリは水気になるので入れない。

 そして後ろに2本並んでいる日本酒、左の一本は奈良・三輪の西山酒造(奈良市内の春鹿の西山酒造とは別)の辛口純米酒の「切辛」(せっから)と読む。
 以前、退職者会で歴史の里歩きと酒蔵見学で訪れた際、試飲で気に入り、値段も手頃(4合瓶 1,540円)でずっと飲み続けている。
 ただ辛いだけの辛口ではなく、米の旨味が感じられる辛口に、という蔵元の口上に乗った訳ではないが秋の冷気を感じるには最適のお酒(冷酒)だ。
 もう一本は、石川県の農口尚彦研究所がつくる、純米無濾過生原酒である。
 酒蔵の名前も変わっているがこの農口尚彦という杜氏は能登杜氏四天王の一人で引退していたが若い後継者を育てたいということで自ら社主となり、働きやすい環境をめざし、社員寮まで完備する酒蔵(会社)を建ち上げた。
 こちらは少々高く、4合瓶で2,475円である。

 などと一講釈ぶったが日本酒の奥は深い、純米、吟醸の区別ぐらいまではわかるが山廃やら、無濾過などと云われると「日本酒辞典」でも引っ張り出さなくては分からない。
 そんな難しい講釈は横に置いといて早く涼しい秋が来ないかな~と待ちわびつつ旨いお酒を少しずつ頂いている。