2019年7月29日月曜日

本気の野党共闘の前に

 

そろそろ、私なりに、この度の参議院選挙の総括をしなければいけないかな、と思っていたら目を疑う画像が出てきた。それはLITERAに載っていた「国民民主党・玉木代表が民意を裏切って改憲協力へ!」という内容の記事で、その証拠の画像がyoutubeで流されていた。(youtube「文化人放送局」で視聴可能)文化人放送局というのは右翼系の番組を流す放送局らしいがその番組の中で以下のようなことを言っていた。
  「はいっ。参議院選挙終わってですね、えー、まあ、選挙期間中も私、いろんな声、聞きました。で、反省です! 我々モリカケ問題、これ国会でかなりの時間取りましたから、結果として国政の重要課題について議論する時間が少なくなってしまったこと。そして、それを国民のみなさんに示すことができなかったこと。これは本当に反省しなければいけないと思います。これは本当にお詫びを申し上げたいと思います」

「その上で、私ね、生まれ変わりました! 安倍総理、たしかに総理の考えと私、違いますけど、憲法改正の議論はしっかり進めていきましょう!」 
 これって何なのだろうか?画面で喋っているのは間違いなく玉木国民民主党代表である。私はその軽い喋り方に違和感を覚えつつ、その発言内容に驚いた。それは「私ね、生まれ変わりました!安倍総理、たしかに総理の考えと私、違いますけど、憲法改正の議論はしっかり進めていきましょう!」とは何事か!

 
 今度の参院選にあたり、5野党・1会派により野党統一候補の擁立を実現させのだが 当然、国民民主党玉木代表もその一員として安倍首相が進めている憲法改悪に反対、阻止するという共通政策に合意し署名したはずである。にもかかわらず、このような番組に自ら登場し、安倍首相!改憲論議をしっかりすすめましょう!」と呼びかけるとは何事!

   さらに、私が最も許せないのが「我々、モリカケ問題、これ国会でかなりの時間とってしまい、結果として国政の重要課題について議論することが出来なかった、だから国民の皆さんにお詫びし反省をする」という言い方である。

野党共闘の約束を破り、安倍改憲論議に自らのめり込もうとする裏切り行為を正当化するため、一国の指導者が国家行政を私物化し、そのために人ひとりの命が奪われた、という重大な問題である「森友学園」問題を言い訳に使うという事ではないか!

 今回の玉木代表の発言の根底には、自公で安定過半数という事象のみに目を奪われ、改憲勢力が3分の2を割り込んでいることや、全国10の一人区で野党統一候補が勝利していること等に目を向けられない確信の無さがあるのだと思う。そして改憲勢力が3分の2を割り込み危機感を覚えた安倍首相が国民民主党を改憲勢力に取り込もうとしている計略にまんまと嵌められた玉木代表の底の浅さがあるのではないかと思う。

   本格的というのはおこがましいが、私なりに選挙総括する場合、その第1義は「野党共闘」のあり方についてであると思うが、その前にとんだ邪魔者が入ったようで「本気の野党共闘」の総括はまだ少し先のことになるかもしれない。
 


2019年7月20日土曜日

明日の日本をこの一票で!


 トランプ大統領が民主党の4人の女性議員に対し「(この国アメリカが嫌いなら)国へ帰ったらどうか、出て行ってもらったらいい」と露骨な演説をした。
 大統領再選を目指しているトランプらしいと思いながら画面を見ていたがこの演説を聞いている聴衆が「国へ帰れ!」とコールしているのを見て私はナチスドイツのヒトラーの演説に対し、聴衆が「ハイル、ヒットラー」と応え、唱和するシーンを思い出した。
 たえず敵をつくり、アメリカファーストと民族意識を煽るトランプはヒトラーそのもののようだ。

 そしてこちら日本の首相は街頭演説で聴衆のヤジを嫌いステルス日程で各地を遊説したがそれでも「安倍やめろ!」「増税反対!」の声は止まず、ついには警察権力を使い、野次った聴衆やプラカードをかざしただけの女性も排除したという。

 トランプは民主党オバマ政権時代を「何も決められなかった政権」と批判し、安倍首相は民主党政権を「悪夢の時代」と揶揄し、まやかしの数字を使いアベノミクスの成果を宣伝している。
 反対に自分の気に入らないマスコミには「フェイク!」(トランプ)と叫び、「(2者択一的な質問は)何か意図的なものを感じる、やめた方がいい」(安倍首相)と言った。その手法、やり口の類似性には驚くほかない。

 トランプ大統領との親密さを誇り、その政治的パフォーマンスまで真似る首相にこの国の未来を、いや明日からの日本を任すことは到底出来ないと思う。

 みんなの一票でそれを示して行こう!

2019年7月10日水曜日

蓮の花となれ!

 
 参議院選挙が始まり、テレビで政見放送が放映されているが自民党は安倍総裁と三原じゅん子女性局長の対談形式で流されているがその内容は安倍首相を天にも持ち上げるヨイショだらけの内容だった。

三原議員「総理、いま国際情勢
  は、米中貿易摩擦、北朝鮮情勢、英国のEU離脱問題、緊迫する
 中東情勢など、激動のなかにあります。こうしたなかでG20大阪
 サミットの議長を務められました。手応えはどうでしたか?」

安倍首相「貿易で生まれた富がすべての人に行きわたるルールをつ
  くることが大切。この点は、私はトランプ大統領にはっきり、
 申し上げているんです」と胸を張ったがアメリカの保護主義には
 触れず「トランプ大統領にも物が言える」んだ、と言わんばか
 りに述べた。
 
 そしてトランプ仲良し自慢のあとは、改元を安倍首相の手柄とPRし政治利用し、そして話は、ようやく国民の生活に直結する年金問題へ移るのだが、三原議員はこのように話題を誘導した。
 
 「一部の野党は、高齢者のみなさんにとって大切な年金を政争の具にし、具体的な政策も示さないまま、ただただ不安を煽るだけの議論に終始していることは、大変残念に思っています。日ごろは与党の揚げ足取り、政策の議論を重ねないまま、選挙目当てで、人気取りだけで、実現できるかも怪しいような政策を言い始める。所属政党はコロコロ変わり、対案なしで何でも反対、こんな野党には、絶対に、負けるわけにはいかない心からそう思います」と話題に
なった安倍内閣不信任案の反対討論に立った三原議員の演説を政見放送で“再現”してみせただけである。

 三原議員は大臣ポストが欲しくて過激な演説に及んだ、という噂もある。お互いの本心は知らないが、白いスーツに身を包み異様なまでに首相礼賛を繰り返す三原議員に対し、目じりを下げ、だらしなく緩んだ頬を震わせヨイショに乗っかる安倍首相には不快感すら覚えた。


 こんな政見放送を見ていて「フーテンの寅さん」の主題歌「男はつらいよ」の歌詞の一説を思い浮かべた。

  ドブに落ちても根のある奴は 
     いつかは蓮(はちす)の花と咲く
というのがある。

 どんな境遇に遭おうとも心根の良い人はきれいな蓮のように花も実もある人生を送るだろう、という意味だと理解している。

 三原議員は行く先々の街頭演説で「恥を知れ!」と国会での反対演説の「野党は恥を知りなさい!」の台詞を逆手に取った猛烈なヤジにさらされているらしい、いくら真っ白なスーツを着てもその心根の卑しさは隠せないのだろう。
 
  ここは色は黒いが心の真っ白な辰巳コータローに再度、蓮(はちす)の花を咲かせてほしい。

ベランダの姫睡蓮、今年は二つ同時に咲きました

2019年7月5日金曜日

共産党に託す!

  参議院選挙が公示されたが公示日の4日に先立ち、3日には日本記者クラブが主要7政党の党首による公開党首討論会を開いた。
 2時間を超える討論会の中で際立って目立ったのが出席記者からの質問に対する安倍首相の答弁の異様さであった。

その一つが森友・加計問題について記者から「いわゆる森友・加計問題はもう終わったんだと認識されていますか?」と問われて「国会で相当長い間、議論をした。その結果、私も妻も、直接かかわっていたという証拠は何一つなかった」と強弁し、記者から「国民はもう納得しているという前提か」と問われると、安倍首相は突然「朝日新聞も安倍晋三小学校があったと書いたけれど、訂正していないじゃないか」と議論をすり替えて反論した。

さらに「朝日新聞の報道を論じる場ではないと思いますが」と記者からたしなめられても「いや、この問題において、いわば、正に、私が直接やった、妻がやった、ということが議論されたのは事実だ、自分たちが間違えてもそれは関係ないというのはおかしいと思いますよ」と朝日新聞をやり玉に挙げて攻撃し自分の不透明さを隠そうと躍起になって答弁した。

  余談だが、安倍首相は国会などでの答弁の際、痛いところを突っ込まれると途端に饒舌になり、気色ばんで「いわば」や「これは正に」を連発し、ズボンをずり上げるという特徴が
 ある。

この模様は朝日新聞デジタルで生中継され、ビデオ映像として視聴可能で私も繰り返しこの場面を見た。そして私はある事を思い出した。

 子どもの頃、まだ家にテレビが無く、近所の家で見させてもらって見たプロレス中継である。日本の英雄、力道山が外人レスラーの咬みつきや栓抜きでの反則攻撃に顔を血まみれにして闘っていたあの場面である。

外人レスラーの反則攻撃を止めるべき審判が何故か気付かず力道山は再三のピンチに見舞われた。その時我々はテレビの画面に向かって「審判、どこ見てんねん!反則しとるやないか!」と叫んだものだ。

大人になってそれが一つのショーであって、やられて、やられて、最後に空手チョップで相手を倒す、その快感に酔いしれるための演出であった事を知った。

安倍首相は国会で「私や妻が関わっていたなら議員も首相も辞める」と大見得を切った。この発言をきっかけに財務省は公文書を改ざんし、松井知事(当時)は籠池被告から「はしごを外された、松井知事に裏切られた」と言われ、「はしごを外したのではない、(籠池が)勝手に梯子から降りたんだ」と嘯いた。

その間に財務本省から首相夫妻の関与を示す文書の削除、改ざんを命じられた職員は良心の呵責に耐えきれず自らの命を絶った。その責任を麻生最高責任者は取らず、大阪地検は関係者全員を不起訴処分にした。そして3日の公開党首討論で安倍首相は「(国会での)長い議論の結果、私や妻が直接かかわったという証拠は何一つなかった」と言ってのけた。

私はその画面を見て子どもの頃のように叫んだ!「何言うとんねん、証拠はあるやろ」「共産党の辰巳コータロ議員や宮本岳志さんの追求があったやろ」と。「大阪地検も大阪地検や、アンタは外人レスラーの反則攻撃を見てみぬ振りをした審判か?そんな事やから忖度判決をするんやな!」と。

   事は国民の娯楽であったプロレス中継の話ではない。国民の生活がかかった重要な選挙だ。国民の審判を仰ぐべき政治家が、安倍首相が、こんなウソをついていいのか!そして国民は政治家なんてそんなもんや、と冷笑主義に陥っていいのか!

今朝の「毎日」に思想家の内田樹氏が「民主性に一票を」としてこんな事を述べておられる。「日本の議会政治の質の低下は目に余る。市民的に未成熟な議員たちは失言愚行を繰り返し、国論を二分するような重要法案は審議を通じて深められることなく強行採決に付されてしまう。これを『国会の空洞化』と切り捨て、『投票など無駄だ』との虚無論に飛びつくことは、民主主義の衰退に手を貸すことになる。」と。

  憲法9条の改悪をめざし、今度の参議院選挙の争点を「改憲だ」とハッキリ表明した安倍首相、立憲主義を破壊してきた安倍首相、こんな首相に信任を与えたなら日本の民主主義は間違いなく滅びると言いたい。

   そして森友問題を身近に見て来た私は今ハッキリ言える、真に国民の側に立って政治を進められるのは日本共産党だと。