2012年11月6日火曜日

耳で観る文化

 義姉から切符を貰ったので二人で「文楽」を観てきた。(11月5日)11月公演は「仮名手本忠臣蔵」の通し狂言(第1部)。      当日、朝10時半からの「大序・兜改めの段」に始まり、「六段目・勘平腹切りの段」午後4時すぎまで、の長丁場だった。昔から、テレビ・演劇界では「困った時の忠臣蔵」、と云われるほど国民的人気の外題である。映画ならばいくら長いと云っても2~3時間であるが通し狂言となると、私が見た1部と夜の2部合わせて約11時間(昼夜休憩を入れて)さすがに余程の文楽好きでないと、と思って来たが、10時の開場時間には満員の人が。以前のブログで、私が「文楽友の会」に入会しようと思った経緯を書いたが、橋下市長の「文楽」攻撃から最近の補助金支給決定まで、一連の騒動の「波及効果か?」と言われてきた盛り上がりだったが、この人気は、もしや本物、と思わせる程の入りだった。たった1日の観客層を見て判断できるモノでもないだろうが、「橋下騒動」とは無関係の新たな文楽好きが増えてきているのは間違いないのではと思う。橋下市長は補助金支給決定後も未練たらしく劇団四季の「ライオンキング」を観賞してその盛況ぶりを文楽にあてこすりしているらしいが、この話はまた何れ別の機会に譲るとして、当日は、人間国宝の鶴澤寛治、鶴澤清治(三味線)や竹本源大夫(人間国宝・当日は途中交代するハプニングがあったが)や豊竹咲太夫ら名人・上手を目の前で、間近に観られ文楽初心者の私にもその迫力が伝わった。舞台でも主役の人形遣いはもちろん、「(その他)大ぜい」と記される端役の人形遣いの人々の細かい動きも見事なものだったが、やはり文楽の魅力は「浄瑠璃」の魅力に尽きるように思う。「耳で観る」文化だと思う。浄瑠璃、三味線、そして人形、三位一体の芸術はすでに完成されている。これを守り、伝えるのが文楽技芸員の仕事。「観客動員が少ない、儲からない、」は観る我々の側の問題であり、責任だともいえる。(感動さめやらぬ中で記したので乱文なり)



右のきり絵は、故加藤義明氏の作品で我が家の宝物です。       

1 件のコメント:

  1. !1部だけでも6時間だったのですね。通しだと11時間ですか。どうしても「しんどい」気がしますね。
     という私やこの国はほんとうに豊かなのでしょうか。 例の「国民幸福度」はあの中国よりも劣っていると世界が認めているのですね。
       げにおそろしやこのうきよ  
           べんべんべんべん・・・・・

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