2012年7月26日木曜日

 なにやかやと忙しくしている内に今年も天神祭がやってきた。祭り本番は、テレビ大阪の中継で済ますつもりだが、去年、買いそびれた「白むし」を買いに24日、出かけた。以前に比べて、ギャルみこしや、この写真の「花娘」など、若い女性を駆り出し、祭りを盛り上げているようだ。境内に躍り込んだ「男みこし」も花娘を前に一層跳ね回っている、やはり、女性の力は神さんの荒ぶる魂をゆさぶる様だ。
肝心の「白むし」とは、白いおこわの事である。天神橋商店街の「薫々堂」がつくって天満宮に納め、祭りに参加する氏子たちの「力めし」になる。竹の皮に包み、梅干しを1個入れて、夏場の傷み防止の工夫がされている。これで1個500円也、高いのか、安いのかという価値判断ではなく、天神祭に参加している、という一種の連帯感みたいな物かもしれない。去年は、「某私鉄のPR誌に載ったため、早々に売り切れてしまいました」とは薫々堂のお話だったが、今年はどうだったのだろう。

2012年7月22日日曜日

これも節電対策!

 最近我が家の夏の恒例行事になりつつある万博公園の「早朝観蓮会」、最終日の今日出かけた。蓮の見頃は少し過ぎてはいたが、毎年のお楽しみ行事、今年は「能勢の人形浄瑠璃」の公演があるというので最終日だが出かけた。蓮池の隣に臨時の舞台をかけた会場は、7時半という早朝にもかかわらず、用意された椅子も満席になっている。今日、公演するのは「能勢人形浄瑠璃鹿角座」という一座。解説書によれば「古くから親しまれてきた〈能勢の浄瑠璃〉は、太棹三味線と太夫の語りによって物語が進行する『素浄瑠璃』といわれる渋い座敷芸で、今日まで200年にわたり伝承されてきた能勢の大切な芸能」という事である。この永く伝えられてきた土地の芸能を次の世代に繋ぐため、人形・囃子を加えて〈能勢人形浄瑠璃〉として1998年にスタートした。スタートにあたっては、義太夫の太夫以外は、すべて一般公募し、応募した主婦、教師、OL等が文楽協会の人間国宝-竹本住太夫や三味線の鶴澤清介らの本格の指導を受け、日々研鑚し、2006年には『能勢人形浄瑠璃鹿角座』を旗揚げしたのである。

「して、かかさんの名は~」 人形遣いはすべて女性。
 つまり、古い伝統芸能に人形浄瑠璃の要素を加えた『21世紀に誕生した伝統芸能』という事になる。昨今話題の「文楽」もスタートは、元々あった浄瑠璃-義太夫語りと人形芝居が結びつき、近松門左衛門という作者が当時の世相をうまく取り入れ、大衆の喜ぶ人気芸能と成っていったと云われている。「鹿角座」も同じような道を歩んでいるようで興味深い。今日の公演は、オリジナルの「能勢三番叟」と「傾城阿波の鳴門-子別れの段」のミニ公演であったが、充分に楽しませてくれた。
 梅雨明けと同時に、「節電、ゞ」とセミの鳴き声の大合唱が聞こえてきますが近くに公園のある方、早朝の散歩と暑い日中は「図書館」で過ごすのが宜しいようで。

2012年7月8日日曜日

隆達節-私的解釈

以前、友のブログ[yamashirodayori]にあった「隆達節」の話、「君が代」の歌詞は、隆達の小唄が元ではないか、というあの話。 たまたま訪れた池田の「逸翁美術館」で開催中の「小林一三の愛した-近代日本画展」で、その隆達直筆の歌詞を見た。 ブログでは、ボストン美術館にある屏風絵の両端に、その歌詞を書いたものが張り付けてある、という事だったが、こちらの物は、「唄本切」(うたほんぎれ)というもので軸に表装してある。
 一般的に、「何々切」というのは、元々の巻物や書簡なりの写本を観賞用に切断したものの事で、有名なのは「古今和歌集」の写本を切断(断簡という)した「高野切」で、大阪の湯木美術館にある。(wikipedia)。
 「唄本切」というからには、写本という事かもしれないが、どちらが原本かは置いといて、問題はその歌詞である。こちらの「唄本切」もブログの写真と同じ体裁で、7首(番が正しいかも)の唄が書き連ねてある。最初の唄が「君が代は,,,」で始まり、流麗な文字で読みにくいが、「苔の」や、「岩」等の漢字がハッキリ読める。2番目以降も所々、「戀のみち」とか「枕の」とかの字が何とか読める。やはり隆達が書いたのは「恋唄」だったようである。
 この「唄本切」の伝来は、小林一三(阪急グループの創始者で、号を-逸翁-と称した)が宝塚歌劇30周年記念の茶会を催すため、安田靭彦が持っている、高三隆達直筆の「唄本切」を茶友の雑誌編集長を介して譲って欲しいと頼み、手に入れたものとある。逸翁が何故、この「唄本切」を望んだのかは分からないが厳粛なる「君が代」の元歌が小唄だったという事がさらに一歩わかった様な気がした。
*安田靭彦(ゆきひこ)-大正から昭和の日本画家。前田青邨と並ぶ歴史画の大家。                                               
                

「高野切」湯木美術館蔵
逸翁美術館