2013年10月15日火曜日

猫と仁王さん

何やかんやと忙しいのだが毎年この古本市には出かけているので「大阪本」を探しに行った。今回は嫁はんも「仏像」関係の本を探す、というので一緒に行った。例年より少し規模が小さいような感じもしたが、嫁はんとは、それぞれ目的の本を探して別々に歩いた。
 露店でテント張りとはいえ、どの本も砂ボコリまみれで状態は良くないが、店舗と違い安いのが魅力でもある。結局私は「大阪本」にはいきあたらず、【太陽】の「京の茶室」と「書の文具」の二冊、それと、【上方芸能】の文楽特集を二冊、〆て1,200円也。 1時間の約束で、嫁はんと落合い、もう一巡りするかどうか訊いたが目的の本を手に入れたので「もうイイ」と云い、かわりに「来たついでに仁王さんを見たい」と言った。何でも今、嫁はんが習いに行ってる「仏像彫刻教室」の先生の師匠・松久朋琳師の作だそうで私も四天王寺の仁王さんの場所は知らなかった。
 仁王さんは、古本市のすぐ隣の南大門の中門におられた。まだ彩色も鮮やかに残っており、縦六段割れの腹筋もかなりのリアルさである。近くの「一心寺」の超現代的な仁王像は別として、近代仁王像の傑作に入るのではないだろうか。帰りがけに、今度は私が「猫の門」を案内した。
 愛読書(図書館での)の「上方」に載っていた「四天王寺の七不思議」のひとつ、「元朝に三聲なく眠り猫」が門の上に彫ってある「猫の門」である。全国にある左甚五郎の眠り猫の一つで元旦の朝に三聲なくのだそうだ。大みそかの夜に何処かに出かけ、元日に帰ってくるという話もあるそうだ。この猫を大阪の郷土玩具にしたのが「四天王寺猫の門」の猫で、郷土玩具の収集家「川崎巨泉」氏のデーターベースに載っている。実物は門の欄間(正しいかどうか?)に彫り込まれていて薄暗く、寝てるかどうかはわからない。鳴くというよりいびきが聞こえてきそうだ。


 


3 件のコメント:

  1.  ひげ親父さん、貴兄の更新記事が「橋下モノ」だけでなく、鉄道から古本市へと、広がっていくのを、楽しく読ませていただいています。
     苦境に立つ橋下氏のことですから、これからも「橋下モノ」が減ることはないと思いますが。

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  2.  古いということは楽しいものですね。
     四天王寺のすぐ横には現存している会社としては世界一古いと言われている『金剛組』がありますし…。
     徳川幕府に招かれた左甚五郎の『和泉家』の由緒書によれば、祖先の木彫師岸上甚五郎左義信は貝塚生まれで、その彫物は貝塚の大北布団太鼓に残っているそうです。(堺泉州第3号見學稔「貝塚の岸上家左甚五郎を語る」)

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  3.  昨日、ささやかな祝勝会をしました。あらためて大阪から橋下・維新を追い出す決意を固め、一点共闘型も含め、維新包囲網を着実に積み上げていきたいと思います。
     布団太鼓には大別して「淡路型」「堺型」「大坂型」そして「貝塚型」の4タイプがあるそうです。貝塚型だけが屋根のとんぼが変わっていて真ん中に直線的なトンボがそびえています。以前、その違いをブログに図入りで紹介していたのですが、コピーしたものがどこかにいってしまいました。見つけたらブログで紹介します。

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