2018年9月17日月曜日

風評被害と云うけれど


 台風21号にやられたベランダのグリーンカーテンと鳩除けネットの片づけを終えた。連日続いた猛暑を理由に地震で崩れた本棚の本や書類の山の片付けを先延ばしにしていたが猛暑が少し収まったのを機にやっと手を付け始めた頃だったので気力のある内にと済ませた。
 
 それにしても今回の台風21号の威力は凄かった。ベランダには吹きつけるというより巻き上げるような風が窓ガラスをしなわせ、久しぶりに恐怖を感じた。「これは大丈夫だろう」と高を括って室内に仕舞わなかった蘇鉄の鉢(約78キロ)が横倒しになってぐるぐる廻っていた。
 かって我々世代が経験した「第二室戸台風」の観測数値(気圧、最大風速)のそれに匹敵するそうだ。大阪南部を中心に大阪全域で停電し、大阪湾や西宮の沿岸で3,3mという観測史上最大の高潮も記録した。開港当時から高潮の被害が心配されていた海上空港の関空は水没した。
 
 そんな中、松井知事は台風被害の広がりを他所に大阪に万博をと誘致のためヨーロッパに出掛けた。「直前のキャンセルは都市として脆弱だと思われる」ので敢えて出掛けるという風なコメントをして中部国際空港から飛んで行った。
 私などは目の前に広がる被害状況、続く停電と断水は都市の脆弱を証明しているのではなかろうかと思うのだが知事の目にはそうは映らないらしい。
 さらにこの事態を心配する平松前大阪市長や共産党の指摘を「嬉しそうに言うな!」「災害に乗じて風評被害をまき散らしている」と八つ当たりした。読売新聞が、関空活気戻らず、と報じたことに腹を立て「風評被害をまき散らす見出しに悪意を感じる。関空、活気徐々に戻るって見出しにしなさい」と見当外れというか情報操作せよともとれるツィートをした。
 
 日本全体を襲った命の危険に関わる猛暑、大阪を襲った地震と台風、安倍首相と松井知事が前のめりになっている「2020東京オリンピック」と「二度目の大阪万博」に自然が警告を与えているのだと思う。一度立ち止まって考えなおすことが必要だと思う。
 

2 件のコメント:

  1.  「天地の乱れは君主の不徳による」という考えは荒唐無稽ではありますが、アベ政治などを見てますと、ふとそんな言葉も吐いてみたくなります。
     災害の度に「想定外だった」という言い訳にうんざりしますが、そのことは想定しているという常識や基準なるものが信用ならぬこと、現代人が自然現象を想定できているという考え自体が根拠薄弱で傲慢なものであることを教えています。
     私たちは神仏に対して現世利益を頼むのでなく、畏怖と感謝・反省を見るべきでしょう。
     夢洲の強風被害も直視しよう。カジノ万博よりも防災を! 

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  2. 多数の被害者が出ているのに不謹慎という気もしますがネット上には「ここまで災厄が続くと大仏を建立するレベル」などというツイートがあるとか。なるほど、昔は都を移し、大仏を建立し、為政者の責任も追及されたようです。

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