2019年4月7日日曜日

「令和」と「忖度」

 
 新元号が「令和」に決まって世間一般には「良い響きだ」と歓迎ムードになっている。そしてその後の内閣支持率が10%近くも上がったというニュースには「え~?」と思いながらも「そうかも知れん」と思った。
 というのはテレビなどで新元号の予想が賑やかに流され、一番人気は「安」の字が入った案だったこともあり「これって安倍の安やろ、いややな~」と嫁はんと語り合っていた。1日の菅官房長官が晴れやかな表情で「令和」と披露した時は「安」の字が入らなくて良かったと思ったものである。
 世間一般の歓迎ムードの中にはこうした「気分」が入っていたのは間違いないと思う。
 ところが菅官房長官の発表の後、すぐに安倍首相が新元号についての談話を記者会見で披露する姿を見ていて徐々に「うむ、これは?」と感じ始めた。直後になって分かったことであるが候補は六つあってその中には「安」の字はなかったのである。
 また決定に至る短い時間でのコメントにしては用意周到であり、国書の中から選ばれたと誇らしげに語る姿を見て「ひょっとして」とある思いに捉われた。
 それは、安倍首相ら官邸サイドは元々「安」の字を入れる心算はなく、ほぼほぼ「令和」で決めて置きながら、世間一般にはマスコミを使って「安」の字を押し込もうとしているかのように見せかけたのではないか、そしてそうしたやましい思惑を退け「令和」という良い年号にしましたよ、という印象操作ではないか、という思いである。
 これはあくまで私の「思い」であり、それが正しいかどうかはわからない。
 しかし、結果的には安倍首相の思惑通り、新元号制定を政治利用し内閣支持率のアップに繋げたのではないか。私はそのようには思っている。

 ところが安倍首相の喜びは束の間のものとなった。同じ1日に、塚田国交副大臣が福岡県知事選挙の応援で行った挨拶で、地元福岡県と山口県を結ぶ新設道路について安倍と麻生の地元ということで「忖度」をして国直轄で行うことになりましたと高らかに語ってしまったのである。
 「忖度」は安倍内閣にとって禁句の二文字である。森友問題でも「忖度」は無かった、妻や自分の関与は無かったと言い続け、幕引きを図ってきたのに内閣の一員が高らかに「忖度しました!」と言ってしまったのである。さすがに当初、庇っていた安倍首相も事実上の更迭に踏み切らざるを得なかった。

 事はこのまま「副大臣更迭」で一件落着とはいかないのではないだろうか?事の真相を明らかにしないままこの問題を終わらせてはならない。
 安倍首相の行政私物化政治をこのまま放置しつづけてはならないと思う。

 今日はいっせい地方選挙の投票日である。1日も早く安倍政治を終わらせなくてはこうした「忖度」政治はなくならない。